« 三菱自動車の「軽」を振り返る(7) | トップページ

2019年9月29日 (日)

民放AM局が廃止されると…

 民放AMラジオ局はアナログVHFテレビが停波した周波数帯の跡地を利用して,災害対策や外国電波の難聴対策のための「ワイドFM」放送を開始し,来年2月までには全ての民放AM局で「ワイドFM」放送が開始されるらしいです。

 地元のラジオ局でもすでに昨年の春にワイドFM放送が始まっています。メーカーや各放送局が宣伝しているとおり,すでにワイドFM放送を受信できるラジオは数多くあり,我が家では以前拙ブログに登場した(現在は過去ログ収録)ポケットラジオSRF-R431や,嫁が時々使っているラジカセCFD-E100TVなんかが対応しています。一方で,おまけ機能としてFMラジオがついているICレコーダーのICD-UX513FではワイドFMに対応していないですし,中古で購入したパイオニアのチューナーF-780も当然対応していません。私や嫁のクルマについているカーオーディオも未対応のようです。

 さて,いささか旧聞に属しますが,

https://digital.asahi.com/articles/ASM8Y5VLBM8YUCVL01N.html
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1908/30/news127.html

AMラジオ局がそのAMラジオを廃止することを総務省が容認する方針を示したとのことです。来年秋が停波実験の概要公表時期であり,現時点ではなんとも分からない部分が多いのですが,2023年には停波の実験が始まり,それをもって事実上AMラジオ廃局,というケースも考えられるとのことです。

 AMラジオは受信状況がいくらよくても音質が悪く,送信側には送信アンテナのための莫大な土地やかなりの高さが必要な送信アンテナ,そして送信のための電力もばかにならず,アンテナが老朽化したときの建て替えや万一の災害対策を考えると,ラジオ広告収入の割にそのコストが大幅にかかるという問題があったようです。
 その一方で受信側にしてみれば,音質が悪いことを無視すれば低消費電力かつ低価格の受信機で受信できることや,夜間になればかなり遠距離の放送局からの電波でも受信できること,というメリットもありました。

 さて実際に「民放AMラジオ局のAMラジオ停波」がどんな形になるかを考えてみるのに,確かに地方の放送局はAMラジオを今すぐにでも停波したいと思っているかも知れませんね。今のところ,エリアが広大な北海道地区や,離島を多く抱える地域ではAMラジオが残る,ということが予想されているようです。
 地元の放送局はどうか。今のところ,地元局のワイドFMは「金甲山」と呼ばれる,各局のテレビ送信所が集まっている山から出力700Wで送信しているようで,岡山以外の中継局は整備されていません。この局は 全国で初めて「精密同一周波数」という方式で,親局と同じ周波数で中継する試みを行い,今では県下どこでも同じ周波数でこの局のラジオを聞くことができるのです(この局の当時の広報誌で,「県内で聴取する限り出力100kWの局と同等に聞こえる」と豪語していたのを思い出した)が,カーラジオで聞く限り,県内どこでもクリアに聞こえる,というわけではないように思います。
 民放FMやNHK-FMは親局が同じ「金甲山」にあり,どちらも出力は1kWとワイドFM局よりやや出力が大きいです。県内に民放FMの中継局は8局,NHK-FMの中継局は17局もあり,親局を増力ししかもこの位中継局を整備しないと(しかしそれでも民放FMは聴取が難しいエリアがある)AM放送の停波は難しい,という印象があります。

 一方で当地では,関西地方のAM局,特に毎日放送と朝日放送が地元局に並び日常的に聞かれているという現状があります。両局とも,本来エリア外である当地のリスナーの葉書やメールを読んでいるし,最近では,関西地方に進出した当地の企業(銀行,スーパー,人材派遣業)のCMもよく流れています。朝日放送の番組のコラボ商品が,当地のコンビニやスーパーで売られる機会もままあります。
 毎日放送や朝日放送(ラジオ大阪も)はAM放送の本局が50kWの出力で放送され,別に京都市向けに300Wの中継局を持っています。そのため当地でも地元局に並んで比較的クリアに受信できる一方,エリア内であるはずの兵庫県北部や京都府北部での受信が難しいという現状があります。FM補完放送は生駒山から7kWの出力で放送されており,大阪の他FM局の10kWよりは出力が低いです。これもAM廃局になれば出力が増強され,兵庫県や京都府の北部も含め中継局が整備されることになるのでしょうが,エリア外での聴取はまず不可能になるでしょう。
 現在では「ラジコ・プレミアム」があるので,当地でも近畿のラジオ局の放送が全く聞けなくなることはないでしょうが,スマートホンのアプリを起動し,地域選択して,さらに放送局を選ぶ,というのに手間と時間(そして料金)がかかることを考えると,AMラジオ廃局により正規の放送エリア周辺部のリスナーをかなり減らす結果となるのではないか,という印象があります。

F780_2

 以前掲載したパイオニア・F-780の写真ですが,民放AM局が廃止になると,AMの局名表示は岡山だけでなく,高松や大阪など,ありとあらゆる周辺のNHK第1の局を入れるようになり,一方でワイドFMは入らないので,それまでの民放AM局の表示はなくしてしまうということになるのでしょう。古いシンセサイザーチューナーご難の時代がやってくるというわけです。

|

« 三菱自動車の「軽」を振り返る(7) | トップページ

ほうそうねた」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 三菱自動車の「軽」を振り返る(7) | トップページ