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2013年4月29日 (月)

【再掲】パイオニアCT-770(1)・3分割のニクい奴

 ノイズリダクションのないビクター・KD-A150では物足りない,新しいカセットデッキを買ってくれと両親にせがみ,中学3年の秋にようやくカセットデッキを買ってもらえることになりました。
 余談だが2児の親となった今では,子どもに「入試に合格するまではだめだ」と言い渡すのであろうし,現実に先日高校に入学した長男には進路が確定するまでスマートホンの購入をがまんさせてしまったのでした。ある意味,身勝手な親ではあると自己反省。

 当時通っていた中学校の音楽室には,ソニーのカセットデッキが置いてありました。カセットドアに書いてある英文を読んでみると,「3ヘッド」とか,「クローズドループ・デュアルキャプスタン」などと書いてあって,高そうな感じでした。
 実はこの機種は,
 http://knisi2001.web.fc2.com/tc-k75.html
 http://audio-heritage.jp/SONY-ESPRIT/player/tc-k75.html
TC-K75というものでした。ヘッドはソニーご自慢のS&F(センダストアンドフェライト)ヘッドで独立式。手動のバイアス・テープ感度調整機能もついていた。周波数特性はメタルテープで20kHzまで伸び,ワウ・フラッターは0.04%。79年リリースのカセットデッキだったのでドルビーノイズリダクションはBタイプまでの搭載でした。
 3ヘッドやキャプスタンが2本出ているクローズドループ式というのは高級なメカニズムである,というのは当時の田舎の中学生だった私でも知っていて,すごいなぁと思ったものでした。

 その音楽室に,パイオニア製の各種機器が入ってきたのは中学3年の秋の頃でした。
 プレーヤーはおそらくこれ(この上位機種か下位機種だったかも)。
 http://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/player/pl-50.html
 http://knisi2001.web.fc2.com/pl-50.html
 スピーカーはリボンツィーター搭載で高域が120kHzまで伸びるといわれたこれ(システムの中でスピーカーが一番金がかかっていたか?)。
 http://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/speaker/s-955.html
 このほかグラフィックイコライザーも導入し,「機器のセッティングの時に音響特性を調べて合わせてもらったので,優れた音が出る」と誇らしげに音楽の先生が話していたのを思い出しました。たぶんこの機種。
 http://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/etc/sg-70.html

 プリメインアンプのことが書いてありませんでした。実はこれです。
 http://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/amp/a-980.html
 http://www.niji.or.jp/home/k-nisi/a-980.htm
 当時パイオニアが"ALL DAY COMPO"と称して売り出していたコンポーネント機器のひとつで,プリメインアンプの高級機でした。フロントパネルが3分割されていて,右と左がシャンパンゴールドに,真ん中が灰色に塗り分けられていました。アンプとチューナー,カセットデッキ,それにリニアトラッキングのレコードプレーヤーが用意されていたようで,3分割のパネルは左から順に,開閉可能なふたのついたスイッチ部(カセットデッキではテープトランスポート部となる),電源スイッチ,LEDを多用し「ピクトグラム」と称された表示部,切り換えスイッチ部(アンプでは入力切り換え,チューナーではAM/FM切り換え,デッキはテープ駆動のスイッチ),スイッチが露出している操作部の順に並んでいました。全部をALL DAY COMPOのシステムで揃えると非常にかっこよくなるのですが,単体で購入すると違和感がかなり強くなる欠点もありました(なおALL DAY COMPOのリリース当初は下級機についてはシャンパンゴールドのボディカラーのみ踏襲し,上位機とは別デザインとなっていた)。

 同じパイオニアのミニコンポ,「プライベート」もこのALL DAY COMPOのようなデザインだったので,このA-980を見たときは「学校はプライベートのアンプを購入したのか」と誤認してしまったものでした。
 デザインはあんなでしたが,パネル左下に白抜き文字で表記された
 "Super Linear Circuit"
 "Non Switching Amp"
という表記が誇らしげでかっこよかったのを覚えています。

 そうそうカセットデッキを買ってもらう話でした。特に「これ」といって欲しい機種があったわけでもなく,例によって,今ではエディオンになってしまった,でも確かその当時までには前身のデオデオもといダイイチ傘下に入っていた地元大型家電店に行ってそこで機種を決めることにしたのでした。
 カセットデッキコーナーでいろいろな機種を見ていると,店員から勧められたのは,あの3分割デザインのこれ,
 http://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/player/ct-770.html
パイオニアのCT-770という機種でした。定価79800円だったのですが,なんと3万円引きの49800円の値札がついていました。(この項続く)

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(2025,2,12追記)

 上記で,

|「機器のセッティングの時に音響特性を調べて合わせてもらったので,優れた音が出る」と誇らしげに音楽の先生が話して

と書いているのですが,その「音楽の先生」が,先日2月8日に94歳でお亡くなりになられていたことを今朝知りました。
 というかすでに亡くなられていただろうと思っていたので失礼ながら,逆に驚いてしまいました。
 現在の教育界では絶対考えられないこともされていましたが,厳しく,情熱あふれ,しかし楽しさもあった音楽の授業だったと思います。
 当然吹奏楽部の顧問だったのですが,自分が所属していた文化部の副顧問もされていて,中3の時に主顧問の先生が入院されていた頃,当日の部活の可否について毎日お伺いを立てていたことを思い出しました。
 どちらかというと「君が代」の思想には反対されていたように思うのですが,だからこそ音楽的理論を踏まえ,我々に「君が代」の音楽的に正しい歌い方を教えてくださったのでした。そんじゃそこいらの右寄りの人たちよりはきちんと「君が代」を歌える自信が私にはあります。

 あの時は本当にありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。

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