Windows8.1がインストールできないときは…。
本論に入る前に,
http://www.microsoft.com/ja-jp/windows/lifecycle/eos/consumer/default.aspx
Windows7のメインストリームサポートがこの13日(米国時間)で終了するとのこと。もちろん,昨年のWindowsXP延長サポート終了とはわけが違います。メインストリームサポート終了により,
・仕様変更や新機能のリクエストができなくなる。
・企業向け以外からの,セキュリティ関連以外の修正プログラム作成新規リクエストができなくなる。
・ライセンス,ライセンスプログラムおよびその他の無償サポートを含む無償サポートが受けられなくなる。
のだそうですが,個人ユーザにとっては全く関係のないものですし,企業ユーザの中でもあまりお世話にはならないサポートが多いような気もします。
マイクロソフトはWindowsXPサポート終了時の経験に味をしめて,「最新PCへの乗り換えをご検討ください。」と訴えていますが,
あわててWindows8.1に移行する必要はありません!
年内にはWindows10もリリースされます。このWindows10はWindows7以降のユーザであれば無償アップグレードされるという「噂」もあります。今あわててWindows8.1に飛びつくのは危険です。
今,Windows7パソコンをWindows8.1パソコンにアップデートしようとするとどうなるか,「続き」に,その顛末をお示しします。
昨年の大晦日に通称自作5号,マザーボードがBIOSTARのG31-M7 TE Ver.6.4を使っているパソコンのWindows8.1化を試みました。
それまで使っていたOSはWindows7の32ビット。Windows8.1,もといWindows8は例の3000円キャンペーンの時に購入してライセンスだけは2年以上も塩漬けにしておりました。
今回はOSの64ビット化と,起動ドライブのSSD化も同時に行うことにしました。また,私と子ども2人の3ユーザを設定しているマシンなので,Windowsの「転送ツール」を使ってデータを退避しておきます。
いきなりWindows8からクリーンインストールするのも危険だと思ったので,まずはWindows7の64ビット版をクリーンインストールします。ところがSSDを装着し,それまで使っていたハードディスクを別のSATAポートにつなぎ変えただけなのに,Windows7インストール時にハードディスクを見失ってしまう事態に陥りました。
改めて接続を確認し,再起動するとハードディスクは無事認識できたのですが,領域はきれいさっぱりなくなってしまいました。もっとも,「転送ツール」でデータを書き戻すとどうやらデータは無事だったことがわかり,ほっと一安心です。
次いでWindows7のサービスパック1を適用し,ここでWindows Updateもかけたでしょうか。その後,以前にダウンロードしていた,Windows8 Pro版をアップグレードインストールします。ここまではうまく行ったようです。
ここでWindows UpdateをかけないとWindows8.1がインストールできないので,Windows Updateをかけます。修正ファイルは実に100本以上と膨大です。長い時間をかけてUpdate作業をし,これで終わるかと思ったところでなんと,
「Windows 更新プログラムの構成に失敗しました。変更を元に戻しています。コンピューターの電源を切らないでください」
という画面が表示され,その後また数時間かけてWindows Update適用前の状態に戻ってしまう,ということがあったのでした。
その後悪戦苦闘しているうちにマシンが起動しなくなるという最悪の事態になり,これはもう一度インストールをやり直すしかない,という判断をせざるを得ませんでした。
そこでWindows7 64bitからインストールをやり直し。「転送ツール」で改めてデータを書き戻しして,今度はこの状態からWindows8 Pro 64bitにアップデート。
ここから全てのWindows Updateを適用するのをあきらめ,Windows8.1へのアップデートに最低限必要な,「KB2871389」をインストール(マイクロソフトでは「KB2917499」も必要だと言っているが,),すると,ストアアプリ環境の「ストア」からWindows8.1のアップデートが可能になります。
ところが今度は,
「問題が発生したため,Windows8.1のインストールを完了できません」
と表示されてしまいます。F-07Cの時はそもそもCPUのクロックがWindows8.1の動作条件を満たしていない,というのが原因だったのですが,今度の自作5号はCore2QuadのCPUなので,それは考えにくい。
いろいろ調べると,
http://munibus.hatenablog.com/entry/2013/12/07/222720
のサイトにたどりつきます。内部設定とInternet Explorerとの,プロキシ設定の食い違いが原因のようで,このサイトの通り設定して「ストア」に入り,Windows8.1へのアップデートを行うとようやく成功となりました。
ここからさらに,「Windows8.1 Update」へのアップデートが必要かと思ったのですが,この段階ですでにWindows8.1 Updateが適用されていた模様で,あとは,やはり膨大な数のWindows Updateをこなし,ソフトを再インストールして,作業終了したのは結局年が改まったあとの1月2日になってしまいました…。
Windows8のまま使っているマシンも多いと思いますが,現時点でこれをWindows8.1にアップデートするのはかなりの困難な出来事が予想されます。ましてやWindows7からのアップデートはかなりの時間も必要となります。マイクロソフトが薦めているからといって,企業にあるマシンをWindows8.1化するのは,通常業務を相当圧迫しそうな印象もあります。
よほどのことがない限り,Windows7マシンはとりあえずそのまま使用した方がよいような気がしますし,Windows8.1リリース直後ならともかく,現時点では,Windows8マシンもWindows8.1にアップデートしないほうが幸せなような気がします。"Update"を適用していないWindows8.1は現在,修正プログラムの配布が行われていませんが,Windows8であればまだ修正プログラムが配布されていますので,セキュリティ面では今のところ問題はありません。。
Windows10とてあまり期待はしていないのですが,噂の通り,無償で配布されるのならその時点で判断してもいいかも知れない。ハード自体が故障してしまった,というのでもない限り,Windows10がリリースされるまでは,現在の環境を維持した方が吉のような気がします。
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コメント
先月下旬ごろから,なぜか本記事へのアクセスが急増している状況です。Windows10も4世代目のrs2版になっている今,Windows8.1をインストールしなければならない理由が当方には思いつかないのですが,この問題でお困りの方が多いということなのでしょうか。
現時点では修正が必要な文言も多数あると思われますので,ここでお示ししておきます。
・「あわててWindows8.1に移行する必要はありません!」という文言は,Windows10が発売されていない時点でのものだったことを意識していただければ幸いです。
・「Windows10はWindows7以降のユーザであれば無償アップグレードされるという『噂』」は結局本当でしたね。
・「現時点では,Windows8マシンもWindows8.1にアップデートしないほうが幸せなような気がします。」という表現ですが,Windows10への無料アップデート(すでに終了)ではWindows8のままでは対象になっていませんでした。また,Windows8のサポートも,すでに2016年1月12日に終了しており,Windows8.1へのアップデートが必須となっています。本記事アップの時点ではまだWindows8はサポート継続中のOSだったことをご理解ください。
・「よほどのことがない限り,Windows7マシンはとりあえずそのまま使用した方がよいような」という文章についてですが,きちんとWindows Updateを適用していることが前提となるでしょうね。Windows10のリリースから2年が経過しようとしている現在,rs2版になったWindows10はようやく使い物になる状況になったか,と言えるようになり,その一方でWindows7は古さが目立つ状況になってきたような気がします。2年半後の2020年1月14日にはWindows7の延長サポートが終了するのですが,この2年半という時間はOSのリプレースにとって決して長い時間ではない,ということは以前のWindowsXPサポート終了騒動の例から見ても明らかだと思います。
投稿: くすぴー | 2017年7月 1日 (土) 18時47分