2016年アクセスランキングその4
4回目の今日は4位から2位まで,じっくりと紹介していこうと思います。12月29日までのデータをもとに集計しました。
4位 直噴ガソリンエンジンの悲劇(2012年7月28日) 3950アクセス(昨年は3位↓,3328アクセス↑)
三菱自動車から,"GDI"と呼ばれる電子式としては世界初のガソリン筒内直噴エンジンがリリースされたとき,1800ccで150psの出力と,60km/h定地燃費で30.8km/L,10・15モード燃費で18.8km/Lという,当時としては驚異的な低燃費を実現した,と発表されていました。
公害対策前はガソリンの値段も安く,どのメーカーもあまり燃費にこだわっていない様子でしたが,特に三菱自動車は,いち早く公害対策車をリリースするために,当時ノッキング防止のために混入されていた鉛入りのガソリンでも使用可能な「サーマルリアクター」方式で昭和51年規制までクリアしていたものの,サーマルリアクターで未燃焼ガスを燃焼させるという仕組みのためどうしてもガソリンの消費量が多くなりがちでした。
その問題を解決するため,エンジンに空気だけを供給する第3のバルブを装着した"MCA-JET"エンジンを開発し,より厳しくなる公害対策と燃費問題の両方をクリアしました。当時は「燃費の差は技術の差」「燃費は技術」という宣伝文句を使っていたと思います。
他社でもより効率のよいエンジンを開発するようになると,余分なバルブを搭載した"MCA-JET"エンジンは逆に,ドライバビリティの面で問題が出るようになり始め,その対策としてターボやDOHCでパワーアップしたエンジンを他社よりもどんどん開発しました。次いで燃費もより向上させようとしたのが,この"GDI"エンジンでした。
しかし今から20年前の技術ではエンジンの燃焼状況の解析がなかなか難しく,すすが多く出た挙げ句エンジンの調子が悪くなるという問題が発生しました。それ自体は,三菱に限った話ではないのですが,しかし三菱はヤミ改修をした車種に"GDI倶楽部"というステッカーを貼ったのではないかという疑惑が言われだし,あれよあれよという間にその他のリコール隠しの事案が多数現れ,大きな問題となりました。
そのため三菱自動車はかなりのあせりがあったのでしょう。もちろん他社同様燃費性能を高める研究は数多くやっていたはずなのでしょうが,「ガソリン直噴」という飛び道具を封印してしまった三菱にとれる手段は多くなく,結局それが,今回の燃費偽装問題につながったのだろうと思います。
本記事は,燃費偽装問題が言われる前から拙ブログのドル箱的記事ではあったのですが,順位こそ下がったものの今年は過去最高のアクセス数を得た記事となり,特に4月と5月は非常に多くのアクセス数をいただきました。
2匹目のどじょうをねらって「三菱自動車の『軽』を振り返る」連載を不定期で続けている((4)がなかなかできない…)ところですが,それを書くにあたり,単なる不祥事,というよりは,今回は「起きるべくして起きてしまった」問題のような気がして仕方がありません。
3位 Windows10が降ってくる(F-07C編)(2015年8月2日) 4667アクセス(昨年は2位↓,3328アクセス↑)
今年8月のWindows10 Anniversary Updateをもって,富士通携帯電話F-07Cに最新のWindowsを導入することはできなくなりました(搭載メモリの要件が厳しくなったため)。
それまで多数のアクセスをいただいた記事でありましたが,その8月以降,急激に本記事へのアクセス数は減少し,9月以降は100アクセス台と,まぁそれでも一応拙ブログとしては人気記事ではあるのですが,「これで役目を終えたな」という感慨はあります。
私自身,iPhone(5s)に移行して,このF-07Cは全く手をつけていない状況となりました。そもそもNovember Updateのインストールすらできなかった状況で,Windows10にアップグレードしたことが原因でリカバリ領域が破壊され,バックアップを使ってももとのWindows7に戻すことが不可能になってしまいました。
まぁWindowsモードに重要な情報は入れていなかったため,いずれ携帯電話モードの中にある写真や音声データを回収しなければならないとは思っており,あとはなんとか何かのOSがインストールできればとも思っているのですが,放置状態が続いています。
2位 Windows10にしてから発生した不具合あれこれ(2015年10月13日) 6938アクセス(昨年は18位↑,688アクセス↑)
昨年のまとめで,本記事についてこのようなことを書いていました。
「その一方で,これからアクセス数が伸びるかなと思うのが,19位(※)のWindows10不具合問題の件でしょうか。意外とつまらなく,しかも完治しないトラブルが多いかなぁ,という印象があります。Windows8以降,トラブルの原因になる問題がマイクロソフトから公表されるようなことが少なくなり,ユーザーの手ではトラブルシュートも難しくなった印象があります。」※まとめているうちに順位が18位に上昇した。
その予言どおり,本記事はそのアップ以降,4月ごろまで,毎月200アクセス程度のアクセスをいただく人気記事となっていましたが,5月から10月にかけそれが300~500アクセス台と上昇し,1位の記事ほどではないけれどそこそこアクセスを集める記事になったなぁ,と思っていたところでした。
異変が起きたのは11月の下旬ごろでした。ある日を境に急激にアクセス数が上昇し,11月全体で1319アクセス,12月は一時のアクセス集中状態はなくなったもののそれでも昨日までに1736アクセスを集めるという,拙ブログとしてはWindows8特需以来久しぶりのお化け記事に成長しつつあるところです。
とはいうものの,なぜそれが11月に起きたのか。本記事にアクセスが集中しているのは,どうもGeForceドライバの不具合,特に"nvlddmkm.sys"ファイルの問題が理由のようですが,なぜそれがこの11月に多く検索されるようになったのか,詳しい理由は皆目見当がつきません。
とはいうものの,確かに古いパソコンにWindows10を入れると,まずインストールで何らかの不具合が出る,次に周辺機器のトラブルが起きる,そして,何がしかのつまらないトラブルに悩まされるような気がしています。
また,Anniversary Update以降,特にシングルコアのCPUを持つパソコンでの動作が緩慢になったような印象があります。Core Solo機や,古いAtom機では起動やWindows Updateの動きが大変遅くなり,高速化の処置や自動でWindows Updateをしないなどの設定をしないといけない(それをしても完全に解決しない)ようになってしまいました。
上記のF-07Cのように,アップデートを重ねるたびにシステム要件が厳しくなり,いずれシングルコアのCPUが,次いでCore2世代のCPUがWindows10で使えなくなる日が来るのだろうな,という予感があります。
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