ポータブックを買っちまった…(3)
ポータブックは画像出力がVGAに加えHDMIもあり豊富なのですが,問題はUSBです。
使えるUSB端子が一口しかないのはなんとかならなかったのでしょうか。それも今となっては低速なUSB2端子しかないというのはなんとなく問題だと感じます。マイクロUSB端子は充電用だけにしか使えません。これをデータのやりとりも可能な仕様にしておくともう少し使い勝手が広がったのではないでしょうか。
また,これらのポートをしまう(SDカードスロットは右側面)背面のカバーは,広げておくとキーボードに若干の傾斜を与え,入力がしやすくなるという特徴があるらしいのですが,そうでなくても,USBメモリをつないだり,モバイルバッテリーをつないだりなどと,カバーを開けて使うことが多い本機の場合,端子のカバーなんていらなかったんじゃないの,とも思ってしまいます。
と前置きをしておいて,いよいよ,肝心のポータブックの入力環境,そして実際の入力感について書いてみます。
キーボードは2つに分割してくるっと回して使用したり,収納したりするギミックが搭載されています。IBMの「バタフライキーボード」の再来かと思ったのですがそれほど凝ったギミックというわけではありません。ただその仕掛けを本体内に納めることにより,ゴミの侵入を防ぐことができた,といいます。
縦方向が短いキートップになっていて,キーピッチは横18mm,縦15.5mmなのだとか。ちなみに富士通の名機OASYSポケットが14.5mm,一世を風靡したソニーのVAIO type Pが16.5mmでした。だからサイズ的に入力が厳しいということはありません。
一応旧JIS日本語キー配列ですが,かな表示はなく,ローマ字のみの表示になっているのは,旧JISかな入力をするごく一部のユーザには不便かもしれません。
もっともこのキーボードを使って疑似親指シフト入力をする人たちには何ら影響がありません(爆)。その疑似親指シフト入力ですが,注意すべきなのは,左右のギー分割が,親指シフト配列とポータブックの「スライドアーク」分割線では微妙に異なっている,という点です。
親指シフトはT・G・Bキーより左側とY・H・Nキーより右側に分かれていて,親指右,左のシフトキーを駆使しながら1つのキーでかな3文字分の割り当てをすることができています。
一方,ポータブックはY・H・Bキーより左側とU・J・Nキーより右側に2分割されて回転収納されます。つまり,親指シフトで右側にこなければならないY・Hキー,つまり「ら」と「は」のキーが左側に移ってしまっているという状態になってしまっています。ということは,ポータブックのキーボードで疑似親指シフト入力すると「ら」・「よ」・「ぱ」と「は」・「み」・「ば」の文字入力に戸惑いが起きやすい,ということがいえるかと思います。では親指シフトの入力者向けにポータブックの左右2分割線を変更できるかというと,おそらく回転ギミックがうまく動かなくなるでしょうから,それはできない相談なのでしょう。ユーザが慣れるしかありません。
IMEの選択も悩ましいところです。素直にJapanist2003を選べばいいようなものですが,標準インストールされているOffice Mobileはストアアプリなので,Japanistで入力することができません。
例えば秀丸エディタを文字入力用として起動させておき,Word MobileやExcel Mobile に流し込めばいいようなものですが,Wordはともかくセルごとに入力が必要なExcelではそれは面倒な作業です。
ここはやはり,IMEは標準のMS-IMEとし,DvorakJ等のストアアプリ環境でも使えるキーリマップソフトを使うしかないと思い,先日その組み合わせで会議の議事録入力をしました。MS-IMEの独特な変換の癖にはなかなか慣れないのですが,Word Mobileでも親指シフト入力が可能になるので,やはりこれしかないのかなぁ,という気がします。
もっとも,入力は秀丸等のテキストエディタでしかやらないとか,eMMCの中身を整理して,フル機能版のOfficeをインストールできるのなら,Japanistを使うことを考えてもよいでしょう。
そのOffice Mobileですが,ポータブック添付のOffice365使用権は使っておりません。自分用のiPad mini2を買ったときにOffice 365 Soloの契約をし,以来毎年マイクロソフトに年貢を納める生活となりました。マイクロソフトアカウントでログインしたときにOffice365 Soloの契約情報が使われているようで,しかしだからといって,マイクロソフトアカウントのインストール情報を見てみると,ポータブックの登録はなされていないように見えています。
G・H・Bの3キーに挟まれた黒いぽっちは,IBMのようなトラックポイントではなく,光学式マウスをひっくり返して装着したようなものらしいです。これがwebでは不評さくさくなのですが,私は,それほど使い勝手が悪い印象はありませんでした。ただ,マウスボタンの真ん中に,有効なのか無効なのかよく分からないボタンがあり,それが「センターボタン」と言ってスクロールの時に使うのだ,ということを後で知っても,それはやっぱり使い勝手が悪そうな印象がありました。
なお,FDSJKLの6キー同時押しが必要なソフトへの対応度ですが,本機は6キー同時押しを認識できますので,そのような用途にも使用可能かと思われます。
さて,このポータブックのWindows10もすでにrs2化しております。しかしrs1版導入時と同じように難渋しました。他のマシン同様にインストール用のUSBメモリを使ったのですが,これがなかなかうまくいきませんでした。はたと気がついて,SDカードスロットに刺さっている仮想ハードディスク化したSDカードを引っこ抜くと,インストール時に必要なテンポラリ領域がインストール用USBメモリの方に作られるので,これでrs2化できた次第です。
ポータブックを実際に所有してみると,キーボードを収納するギミックのために筐体が厚ぼったくなってしまい,意外と収まりが悪い印象があります。本機よりもタブレット+キーボードカバーの方が使い勝手がよい人は多数いそうな気がします。情報を収集するのに便利がよくなく,逆に情報を紡ぐ用途でも中途半端な感じ。そして販売当初の超強気な価格設定では,売れるわけがないよなぁ,という印象があり,逆に,比較的安い値段で買った私でさえ,今後このポータブックをどう使いこなしていこうかと,いまだに考えあぐねているところです。
そして最後に本機の処分についてですが(爆),実は本機はPCリサイクル制度の適用を受けていません。かといって事務用パソコンの扱いを受けるわけでもなく,あえて言うなら「電卓」と同じような扱いになるのだそうで,地域のゴミ分別ルールに従って処分することになるのだそうです。
タブレットであるiPadはPCリサイクル制度の対象になっているというのに,これは意外でした。逆に個人情報が多数入ったポータブックを,情報漏洩が起きないようにどう処分していくのか。何年か後の処分時にはまた新たな悩みが生まれてきそうです。
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