OASYS Liteが登場してから36年,個人向けOASYS V10の販売は今日が最後でした。
今日は9月30日(例によりまして事前に文書をアップした予定送信であります)。そういえば、今日をもってOASYS V10とJapanist10の個人向け販売が終了となるのでした。皆さん,お買い忘れはありませんでしたでしょうか。
もっともこの「個人向け販売終了」という仕組みがいま一つよく分からないのですが…。「SOHOで使用します」と言えば来年5月末までの完全販売終了までは個人でも購入できそうな気がするのですが…。10月1日以降個人でのユーザ登録ができなくなり,従ってサポートもできない,という意味なのでしょうか。そういえば法人向けライフブックは個人で購入すると技術サポートや有償修理のサポート対応ができない,ということらしいし,そのような理解でいいのでしょうか…?
とにかく,昭和59年の,OASYS Liteから始まった個人ユーザ向けの「OASYS」の販売がこれで終息した,ということになります。私個人としては,平成元年にトランスポータブルのOASYS30AXを購入したところから始まり,平成3年のOASYS Pocket,平成6年のOASYS Pocket3と,3台のパーソナルOASYSを購入しました。
そしてなんと4台目のOASYS!?
はい。初代パーソナルOASYSである,OASYS Liteを入手してしまったのでした。写真はOASYS V10のCD-ROMを上に置いてみています。
OASYS Liteの登場時私は高校3年生。秋吉久美子さんともとの東関親方(高見山)が出たCMは当時見たことがありますが22万円という価格では憧れる以前の問題で,当時あまり意識はしなかったような覚えがあります。
実機を触るのは初めてでした。筐体のプラスチックがぺなぺなしていて,シートガイドにもなるキーボードカバーも貧弱で,(当時の)価格の割には安っぽい印象がありました。同時期に登場したブラザー工業の「ピコワード」が9万円を切る価格で,こちらの方が液晶表示が大きいので,OASYS Liteはぼったくり価格のような印象もあったのかも知れません。
実際に入力してみる(とりあえず入力系は正常動作している)と,複合語の変換がうまくいかない(昭和59年の水準では当然だ)ことを除けばWindows10+Japanist10+FMV-KB613親指シフトキーボードとそう変わらないじゃないか,というところに驚いたのでした。
OASYS Liteはピコワードと違い,A4版2ページまでの文書が作成でき(ピコワードは1行分の入力をしたらその1行分を印刷しないと次の入力ができない仕様だった),しかもそれをカセットテープに保存できるようになっていました。結局,当時は文章を記憶する「メモリ」がばか高かった,ということなのですね。
確かに,このOASYS Liteで令和の今,文章を作っても,他の機種にそのデータを持っていきようがない。OASYS30AFIIだと,オプションを使えばLiteの(カセットテープに記録された)データを読み込めるらしいので,そこで30シリーズの文書に変換すればOASYS V10で読めそうですが,もうすでに製造していない「フロッピィディスク」を媒介しなければならない。
ただよく考えれば,カセットテープに保存するのではなく,ICレコーダでデータを保存すれば,他機種でのデータ活用はできなくても,とりあえずデジタルで劣化せずにデータを保存できるのではないかと。なんと痛快な!!(ただし手持ちのICレコーダで実験してみたところ読み出しができなかった。この件まだまだ研究が必要。)
筐体は思いっきり安っぽいけれど,その中に秘められたハードは非常に扱いやすく,しかも将来のことを考えて設計されていた。開発者である故神田泰典さんの哲学を感じる1台でありました。OASYSはまだまだ不滅であると思います。
(2020,10,8追記)
ICレコーダーにデータ保存できない問題ですが,片側がモノラル端子で,もう片側がステレオ端子になっているミニプラグのコードを使って解決しました。両方がステレオ端子になっているコードだと,データ記録時に片チャンネルしか録音できず,そのデータを再生すると,結局元の半分の出力レベルしか得られないというのが原因なのでしょうね。「レトロコンピューティング」とやらで古い8ビットパソコンのプログラムをICレコーダーに記録再生しようとして失敗する例が多く上がっていて,アンプを通したりトランスを使ったりして信号を増幅するケースがwebで紹介されていますが,案外両方がステレオミニプラグのコードを使っているからうまくいかないだけの話かも。
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