« 新春特別企画・結局,I.O.データの"REC-ON"を買ってしまった…。 | トップページ | 新春(は終わった)特別企画・"REC-ON"は本当に"nasne"の代わりになるのか? »

2021年2月 7日 (日)

アマチュア無線局は避けて通れない「スプリアス確認保証問題」,実は古いコードレス電話機にも…。

 えーと,"REC-ON"の連載は本日は休載とさせていただきますので,悪しからずご了承ください。本日は代わりのネタです。

 そう言えば今年は5年に1回のアマチュア無線の局免更新の年にあたっていました(10年以上電波を出していないというのに…)。例によって更新の手続きをオンラインで行おうとしたところ,「電波利用 電子申請・届出システム Lite」のwebページの「重要なお知らせ」に,このような記述が。

「【必読】申請する無線機は、技術基準を満足していますか?」

 ご存じの方もおられるかも知れませんが,平成17年に無線設備規則が改正され,スプリアス発射の強度の許容値が改正されたとのこと。それから私は,直後の平成18年,平成23年(この時はオンライン申請を行い拙ブログに一部始終を掲載したが,すでに過去ログに収容),平成28年の3回免許更新を行ったのですが,その直後の平成29年11月末に,

・旧規則に基づく無線機器で免許を受けている場合は,平成34年(その後改元したので令和4年)11月末までは旧規則のまま運用が可能。
・それまでの間は旧規則のままでも再免許が可能だが,令和4年11月30日までしかその無線設備が使えない。

ということになり,私の持っている(今も動くかどうか分からない)無線機,スタンダードのC560でこのまま再免許の手続きを行おうとすると来年11月までしか使えないということになってしまうということです。

 では新しいスプリアス規格に対応するにはどうすればよいか,ということですが,

・新スプリアス規格に対応した無線機に買い換える。
 ↑いやそもそも10年以上電波を出していないのだから無駄ですって。テレビをアナログからデジタルに買い換えた時とはわけが違います。

・送信機出力端子とアンテナ(空中線)との間にフィルタを挿入し,変更申請の許可を受け,スプリアスを測定器(較正されて1年以内のもの。以下同じ)で測定し,工事完了届に強度確認届出書を添付して提出する。
・現在使用している無線機のスプリアスを測定器で測定し,測定データを届出書に記載して提出する。
 ↑んなもんできるかっ! しかしあまりにも古い機種についてはこれらの方法しかないものと思われます。

・製造業者等が測定したデータにより新スプリアス規格に適合する事が確認された無線機の場合,スプリアスの測定が不要となるので,強度確認届出書にその旨を記載して提出する。
 ↑総務省のwebページで対象機器を検索できるが,平成11年3月以降に技適(技術基準適合証明)を受けた機器が対象なので,残念ながらスタンダードC560は対象外。

・アマチュア局は「スプリアス確認保証」の手続きを活用することもできる。
 ↑というわけでこの方法について調べてみると,一般的には日本アマチュア無線振興協会(以下JARD)のスプリアス確認保証を受けるということになるようです。

 JARDのwebサイトに掲載された「スプリアス確認保証可能機器リスト」を見てみると,われらがスタンダードのC560はそれに掲載されていたので,JARDのサイトにてオンラインにて申し込みをします(書面提出や,様式のメール添付による提出も可)。なお現に運用している無線機(つまり現に免許を受けている無線機のことか。何回も書いている通り私のC560は10年以上(以下略))でなければならないとのこと。本体に記載された技適番号と製造番号,コールサインと現に所有する免許状の免許番号の入力が必要になります。
 オンライン申し込みを行うと保証料を入金してくれというメールが届くので,空中線電力が200W以下の場合確認保証料として2600円をJARDの口座宛て入金します(2台目以降は1台あたり1000円を追加)。
 JARDはこのようにして提出された申請を2週間に1回各地の総合通信局に提出しているらしく,入金してしばらくするとJARDから,「スプリアス確認保証通知書」として,強度確認届出書を所管の総合通信局に提出した旨の書類と,"JARD保証"と書かれた金色のシールが届きます(このシールの使用は任意)。
 なおこの「スプリアス確認保証」をしてくれるところはJARD以外にもTSS株式会社というところがあるようです。台数に関わらず変更4000円ということなので,無線機を多数抱えている無線局はTSS社の方が都合がよいかも知れません。

 そうしてスプリアス確認保証ができたところでようやく総務省のサイトで再免許の申請。無線局の設備に変更がなければ入力箇所が非常に少なくなっていました。それが受理できればペイジーを使って手数料の納付を行い,しばらく待ってようやく,「無線機の使用期限」の記載がない無線局免許状がもらえた,というわけです。あとは免許状に記載された「免許の年月日」からしばらく経って請求される電波利用料を支払えばすべて終了となります。
 スプリアス確認保証は再免許申請前でも可能なので,もしまだの無線局があれば,免許の更新が迫る前にゆとりをもって行った方がいいのではないでしょうか。

 スプリアス規格に関してはアマチュア局に限らず全ての無線局が対象になるそうです。「その確認保証をとるのに2600円もとるのかぼったくりだなぁ,まるでアマチュア無線局締め出しのための規定じゃないか」と書いてこの項終わりにしようと思ったのですが問題は別のところにあったのでした。
 なんと,「全ての無線局」というのは「コードレス電話機」なんかもそれにあたるということであり,例えばうちで使っているシャープのファクス電話UX-BW30CLも,スプリアス規定が「旧規定」とのことなので,令和4年12月1日以降使えなくなるのだという驚愕の事実を,検索の結果たった今知ったところです(義父母用のパイオニア製コードレス電話TF-LU157は新規定なので問題なく使用可。ほっ)。

 これ,知らない人多いんじゃないでしょうか。来年令和4年はえらいことになりますヨ…。

|

« 新春特別企画・結局,I.O.データの"REC-ON"を買ってしまった…。 | トップページ | 新春(は終わった)特別企画・"REC-ON"は本当に"nasne"の代わりになるのか? »

つーしんねた」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 新春特別企画・結局,I.O.データの"REC-ON"を買ってしまった…。 | トップページ | 新春(は終わった)特別企画・"REC-ON"は本当に"nasne"の代わりになるのか? »