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2021年6月27日 (日)

"WhyNotWin11"を次々と動かしてみるの巻

 騒然とした,そして,結果的には悪夢のような,Windows11プレゼンテーションが終わって早2日。古いマシンを愛でるユーザにとっては地獄のような結末が待っていました。

 我が家のエースである自作6号(AsRock Z170Pro4S)でさえ,マイクロソフト謹製の「PC正常性チェック」を走らせるとこの有り様。

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 英語仕様の「PC正常性チェック」だと,ではどこが悪くてWindows11にアップデートできないのかを教えてくれるようになったらしいのですが,日本語仕様ではまだ上記のような木で鼻をくくったような仕打ち対応を受けてしまいます。

 そこで,では具体的にどこがだめなのかを教えてくれる非公式ツールとして,"WhyNotWin11"と呼ばれるツールが登場したのでした。入手や起動にはちょっとくせがあるようで,ダウンロードしようとするとブロックされるし,ダウンロードしたものをすぐに起動しようとすると"Windows Defender SmartScreen"に実行をブロックされてしまいます。
 ダウンロードサイトやダウンロードのしかた,起動のさせ方については本サイトで紹介するものではないと思いますので,各自で他サイトを参照の上自己責任で入手・起動をお願いします。

 ここでは,我が家にあるWindows10機に次々"WhyNotWin11"を走らせ,枕を並べて討ち死にしてしまった様子を生暖かい目で楽しんでいただければと思います。

 

 まずは当初からWindows11へのアップデートを考えていない機種の様子から。

Onkyo C413

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 レガシーブート,DirectX12非対応,MBR,低メモリ,非セキュアブート,TPMなしと診断されています。
 CPUについては,まず64bitと,周波数1GHzはクリアしており,コア数についてもATOM N450はハイパースレッディング採用であることからシングルコアでも"OK"をもらっているのに驚きです。もちろんATOM N450はマイクロソフトが出している"Windows 11 Supported Intel Processors"のリストに入っていないため,CPU全体としては黄色の"!"表記(V2.1.0.0だと"?"表示だった)となっています。
 本機については,この"WhyNotWin11"を動かし,Windows10の「切り取り&スケッチ」を動かして保存するのも一苦労といった有り様で,Windows11はおろか,もはやWindows10でもまともな動作は望めない,といった有り様でした。現時点でも実用的に使うことは不可能な状況です。

Dell Inspiron1525

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 レガシーブート,DirectX12非対応,MBR,非セキュアブート,TPMなしと診断されています。
 このマシンはもうすぐ購入13年を迎えます。13年前のパソコンが現行OSをインストールできる,というのは実は前代未聞のケースであり,例えば2015年の時点で2002年のPentium4機はWindows8.1をインストールできなかったはずだし,2012年の時点で1999年のPentiumIII機にWindows7をインストールすることも困難,2009年の時点で1996年のPentium機にWindows Vistaをインストールすることは考えられないでしょう。2006年の(以下略)。つまりそれほど大変なことなのです。
 逆に言えば,もうWindows10にはこれ以上大きく仕様変更されることは考えられないので,つい先日からマイクロソフトが声高にいい始めた「2025年10月14日にサポート終了」までは本機が壊れない限り問題なくWindows10を使い続けられることがほぼ確定した,ということになるのです。購入してから17年後ですか。本当に使い続けられるのかなぁ…。

Dell Inspiron1545

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 Inspiron1525と同様の指摘となっていますね。

富士通 FMV-D1200

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 GeForce GTS450カード(すでにnVidia社ではドライバの開発を終了している)を装着しているのでDirectX12には対応となっています。従って指摘されたのはレガシーブート,MBR,非セキュアブート,TPMなしの4項目となっています。

キングジム PORTABOOK

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 指摘されたのは低メモリと低ストレージの2項目だけ。なんとポータブックは,UEFIブート,セキュアブート,TPM2.0という巷間問題となっている項目を全てクリアしているということです。メモリ2GBと遅いeMMC32GBは本機販売当時から問題となっており,当初からそれらがクリアされた設計になっていれば,あとはCPUの心配をするだけだったという,いろいろな意味で「惜しい」状況のマシンであると言えるでしょう。

富士通 CELCIUS J530

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 なんとTPMバージョンは1.2!! 2.0ではないのですね。TPMの噂が出ていた時から,本機のTPM環境について再確認していたのですが,富士通のサイトで探しても,本個体に関係するTPMの修正ファイルは全て非対応でした。
 CPUの,Xeon E3-1225 v3というのもなかなか微妙な線で,Skylakeよりも前のアーキテクチャ(Haswell)なので,Windows11のインストールは難しい部分が生じるかもしれません。
 もっとも本機については「3年使えれば御の字」と思っているところがあり,Windwow10サポート終了時点で行く末を考えればいいかと思っています。本機は腐っても「ワークステーション」なので,CPUの性能の割にOSの起動やソフトの起動かとても俊敏で,気持ちよいですよ。

 そしていよいよ我が家のエース登場。

自作6号(AsRock Z170Pro4S)

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 CPUの黄色"!"表示以外は全てクリアとなっています。
 第6世代SkylakeはWindows10と同時期にリリースされたCPUなので,登場以来6年を迎えることとなります。「6年」という年数だけ聞けば,Windows11からのサポート除外というのは分からないでもないのですが,Skylakeを外すなら,それがベースになっているCoffee LakeやAmber LakeやWhisky Lake,Comet Lakeも外さないといけないはず。そうなっていないのは,Windows11のサポートCPUを決定するにあたり,リリース後の経過年数以外にはっきりとした根拠がない,というのが一番の問題であると言えます。

 これは私の漠然とした予測なのですが,Windows11リリースの時点で結局,SkylakeとKaby LakeはWindows10でのSandy Bridge同様,マイクロソフトがサポート対象から外してもWindows11のインストールとアップグレードはできてしまうのではないかと考えています。インストールプログラムがCPU名を読み取ってインストール不可にするような手法をとる可能性もありますが,そんなものは世界各地のハッカー達が解除ツールを作って公開されたら意味がなくなってしまいます。むしろCPUの機能の違いを見分けてインストール不可にする方法が合理的なはずであり,その場合SkylakeやKaby LakeとCoffee Lake以降をインストールプログラムで峻別することは難しくなり,結果SkylakeやKaby LakeでもWindows11をインストールできてしまう,ということになるのではないでしょうか。

 というわけで次のパターン。

自作5号(BIIOSTAR G31M7-TE V6.4)

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 レガシーブート,DirectX12非対応(現在チップセット内蔵グラフィックスを使っているので),MBR,非セキュアブート,TPMなしと診断されています。
 しかし本機で現在,Windows10 Insider PreviewのDevチャネルを受けているところでして,6月15日公開だったビルド21390.2025もインストールできております。現在のDevチャネルのビルドにはWindows11の機能が含まれている,ということはマイクロソフトも認めているところです。流出OSでWindows11のサポート対象から外れた機種でも,手直しによりインストールできた,ということの傍証になるかと思います。
 しかし本機でInsider Previewの設定について確認をしてみると,

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のような表示がなされ,「最小ハードウェア要件を満たしていない」ことをはっきりと示しています。今週リリース予定のビルドがインストールできるかどうかが見ものですが,本機でWindows11のDevチャネルがインストールできないとなると,もはやWindows11を試す環境がうちからなくなってしまうということになってしまいます。

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 そういうなか読んだあの人のコラム。目を疑うのは,「11は帰ってきたVista」というのは,我々一般のWindowsユーザが使う,「だめOSの再来」という文脈では使っていない,という恐ろしさです。この人がいまだにあの腐れOSだったWindows Vistaを礼賛しているというのも驚きですし,Windows11のことを「Vistaがモダンになって帰ってきた」というのも噴飯ものでした。
 確かに私もWindows11のプレゼン動画を見ていて,Windows Vistaのことを思い出したのは事実です。ただ私の場合は「Vistaに似ている→ひょっとするとこのOSはコケるかも」という感想しか浮かびませんでした。
 Vista時代のこの人の論調を読むと結構上っ滑りで,その後結局当時この人が考えたWindowsの世界には至りませんでした。そんなことはこの人自身が一番よく知っているはずなのに,まだ「11は帰って来たVista」と言っているのがなんとも恐ろしい。
 いや,「Vistaと11は似ている」というところに注目できただけでもこの人の目のつけどころは鋭いのかもしれない。それを我々は「11はVista並のタコOSだ」と変換して理解すればよいのだから(爆)。

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