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2023年2月12日 (日)

M2 Mac miniにFMV-KB232をつないで親指シフト入力する方法

 悪戦苦闘しながらもようやくWindows11機である自作6号からの環境移行が大詰めを迎え,新しいMac miniがメインマシンになろうかとしているところです。
 意外と具体的な記述がなく,どうしたらよいかとまどったのが親指シフト化です。「かえうち」のようなハードウェアエミュレータがあれば一発解決だったのですが,「かえうち」は依然注文停止中。そこでソフトウェアによる親指シフト化を進めるしかありませんでした。

 本当はここに至るまでの苦労を逐一書きたいところですが,私も大変だし読まれる方もそんな試行錯誤しているような文章は読みたくないでしょう。もう一気に結論を書いてしまいたいと思いますので,方法を知りたい方は「続きをクリック」してください。

1.FMV-KB232親指シフトキーボードを接続する。
 ここでのポイントはMac miniのUSB端子に「直接」接続することです。2ポートしかない(標準の)USB端子が1つつぶれてしまうという欠点があるのですが,USBハブ経由で接続すると起動時にmac OSがキーボードを認識せず,毎回キーボードの検出を行おうとしてしまうようです(セルフパワーのUSBハブを使うと解消されるという情報もある)。

2.Karabiner-Elementsをインストールし,設定する。
 このあと説明する親指シフトエミュレータの"Lacaille"のWebページでも説明されていますが,無変換・変換キーに対応させるため,"Karabiner-Elements"というツールをインストールしておく必要があるようです。
 インストールした後,画面左上に表示されているカラビナマークのアイコンをクリックし,"Settings"をクリックします。"Simple Modifications"で"FCL USB Keyboard…"を選び,"Lacaille"のWebページにも書かれているとおり,"Add item"をクリックして2つの割り当てをします。
・PCキーボードの無変換キー → 英数キー
・PCキーボードの変換キー → かなキー
 ところがこの設定だけでは,配列が英語キーボードになってしまう状態となり,親指シフト入力によるかな入力にはあまり影響がないものの,半角英数入力をしようとすると刻印通りに入力できなかったり,反応のないキーができてしまったりという状態になります。そこで,アプリの左側に表示された"Virtual Keyboard"をクリックし,右側に表示された中の"Country Code:0"のところで"JIS(Japanese)"を選んでおきます。これで日本語入力をカットした時に英数文字がキーの刻印通りに入力できます。

3.Lacailleをインストールし,設定する。
 ”Lacaille”をインストールすると画面左上に「親」と書かれたアイコンが表示されますので,それをクリックして「環境設定」をクリックします。
 親指左,親指右は,ボタンをクリックすると設定したいキーを入力するよう指示されます。FMV-KB232を使用しますので「親指左」は親指左キーを,「親指右」は親指右キーを押して設定します。すると先ほど"Karabiner-Elements"で設定をしていますので
・親指左…英数
・親指右…かな
と指定されます。さらにラジオボタンがありますので,
・親指左…無変換
・親指右…変換
のラジオボタンを押しておきます。実は"Lacaille"での無変換操作は単に改行キーを押した時と同じような操作となるようですが,もうひとつ設定を加えないと変換・無変換の操作が自然ではありませんので,実際の変換方法についてはそこでまとめます。
 ところがここまでの設定を行なっても,日本語入力状態での記号入力が完全ではありません。そこでさらに各キーの設定をする必要があるのですが,それを書くとめんどくさいので,設定した後のハードコピーを貼り付けておきます。

Zhisaw

 この設定で「,」と「、」の打ち分けなどが可能になります。

4.ライブ変換をオフにする。
 ここまでの設定で使えるようになるのかと思ったのですが,「ライブ変換」機能をオンのままにしておくと特に無変換の操作ができなくなる(ライブ変換で変換されてしまったまま確定されてしまう)ので,画面左上の「あ」等が表示されたアイコンをクリックして,「ライブ変換」のところのチェックを外しておきます。なお,エミュレータ方式による親指シフト入力となりますので,日本語入力の設定は当然「ローマ字入力」のままとなります。

 以上の操作でほぼ,Windows+Japanistに近い日本語入力環境が得られると思います。先ほど書いた通り,「無変換」の操作が単に改行キーを押した状態と同じとなりますので,Japanistのように全角カタカナや半角カタカナに変換できないことにご注意ください。
 あと,基本日本語入力のシステムはローマ字入力モードとなりますので,「゛」や「゜」をキーボード上に設定することもできません。まぁ親指シフト入力ですから,通常それを意識することはないのですが,例えば「あ゛〜」というような文章を入力したい時には「だくてん」もしくは「はんだくてん」と入力して変換する必要があります。

 あとは私の覚えとして基本的なキー操作について書き残しておきます。
・CtrlキーはMacのcontrolキー
・田(Windows)キーはMacのcommandキー
・AltキーはMacのoptionキー
・Windowsでよくやっていた,例えばCtrl+C(コピー)はMacだとcommand+Cだから,上記の私の環境では田+Cでやればよい。
・日本語入力のオン・オフはCtrl+スペースで行う。
・上記環境ではCaps Lockキーを押しただけですぐキーボード上部のインジケータが点灯する。Num Lockキーは押しても反応しないが,テンキーは常時テンキーとして使えるようになっている。Scroll LockはMacではF14キーに当たるそうだが…。

 実際の入力感覚はWindows+Japanist+純正親指シフトキーボードと遜色はありません。エミュレータによるローマ字変換は一瞬で行われ,タイムラグは全く感じません。以前PowerPC版のMac miniでエミュレータによる親指シフト入力を試みた時とは雲泥の違いがあります。
 ただ,いわゆる"`Wine"により(私は"WineskinServer"で試した)Windowsアプリを動かす場合,エミュレータ利用では記号を中心にキーバインドがずれるような感じがありました。このような場合は,やはりハードウェアエミュレータによる親指シフト入力の方が確実なのかも知れません。

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