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2023年9月30日 (土)

moment4で古いグラフィックスを切りにかかってきた 〜阿漕なマイクロソフト〜

 拙ブログをよくご覧の方はご存知の通り,私の環境では動作対象に入っているマシンでWindows11は動かしていないのですが(動作対象に入っているのはM2 Mac Miniで,Arm版Windows11をParallels Desktopの中で動かした場合。なんじゃそりゃ),しばらく前から,後述の仕様を持つ通称自作5号で,表示がおかしくなることが頻発しておりました。

自作5号(BIOSTAR G31-M7 TE V6.4)
CPU…Core2 Quad Q8200 2.33GHz
チップセット…インテルG31
グラフィックス…インテルGMA 3100
メモリ…4GB
OS…64ビット(現在Windows11 Ver.22H2)
非対応項目…CPU,TPM(なし),セキュアブート(なし)

 具体的な症状としては,Microsoft Storeのアプリを起動するとグラフィックスドライバが急停止し,現在1366×768ドットのディスプレイで使っているのですがそれが1024×768ドット表示になってしまい,再起動するまで復旧しないこと,そして,ストアアプリのマイクロソフト・ソリティアをやると,次の画面のようにモザイク表示になってしまうことも起きるようになりました。
20230930-193718
 絵札が見えないようでは,まともにゲームもできない状況ですよね。

 ところが,先日のWindows11 "moment4"と言われているアップデートを導入すると,次のようなことまで起きてしまったのです。

 今回のmoment4ではエクスプローラも新しいものになったのだそうですが,
20230930-193226
なんと画面上部に何も表示されないという状況に陥ってしまったのでした。ファイルが何一つ表示されてないのでそれも慌てるのですが,とりあえず左ペインに表示された適当なフォルダをクリックするとファイルのアイコンは見えるようになります。
 古い仕様のエクスプローラ,例えば,「スタート」→「Windowsツール」と選んでWindowsツールの画面を出して左ペインをクリックすると古いエクスプローラが使えるのですが,しかしそうまでしてこの古いパソコンでWindows11を使うのはどうなのか,という疑問が大きくなってきます。

 現在この自作5号ではIntel G31/G33用の内蔵グラフィックスである,GMA 3100を使っており,そのドライバの日付を確認すると,
20230930-193842
なんとWidnows8登場時点の,2012年10月1日付となっています。これはきっと,CPUやTPMの制限だけでは古いパソコンでのWindows11の使用が制限できなかったマイクロソフトが,古くて機能が足りないグラフィックスの制限をかけ,ついに古いパソコンでWindows11を実用的に使えないようにするという,実力行使に出たのだろうかと思いました。

 そこで,とことんまでWindows10で使おうと考えていた下記機種に急遽,Windows11をアップグレードインストールして,その仮説を確かめることにしました。

富士通 FMV-D1200(改造しています)
CPU…Xeon X3350/2.66GHz
チップセット…インテルG31 Express
グラフィックス…nVidia Quadro K600
メモリ…4GB
OS…64ビット(現在Windows10 Ver.22H2)
非対応項目…CPU,TPM(なし),セキュアブート(なし)

 本機は本来なら改造5号と同じ内蔵グラフィックスとなるのですが,別機種のPCI-Express付きライザーカードを装着しているので,Quadro K600グラフィックスカードが装着できています。
 アップグレードにあたっては公式サイトでインストールUSBを作り,0バイトの
"appraiserres.dll”ファイルに置き換えたもので行い,それで問題なくアップグレードが完了しました。

 この状態で,問題なくMicrosoft Storeのアプリが起動でき,ストアアプリのマイクロソフト・ソリティアも問題なく動作しました。
 そしてWindows Updateで”moment4”を導入し,エクスプローラを起動すると,

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ちゃんとエクスプローラの画面上部が表示されました。グラフィックスカードのQuadro K600は最近サポートが終了し,新たなドライバは供給されなくなったのですが,それでもドライバの日付は2022年12月12日付となっており,まだまだ新しいです。

 というわけで,moment4以降のWindows11は動作要件外のマシンに無理やりインストールした場合,ドライバが新しくないグラフィックスの環境だと,表示がまともに行われず,実用的に使えない可能性がある,ということが判明したというわけです。
 グラフィックスカードを装着することができる環境なら,古いマシンでもWindows11がほぼまともに動く可能性もあるのですが,ノートパソコンのようにグラフィックスカードが増設できない環境だと,Windows10のサポート終了日である2025年10月14日をもってデッドエンド,ということが確定したということになりました(←取消し線を2023,10,7に付加)。
 嫁のInspiron1525とか,義父のInspiron1545など,一度Windows11 moment4のインストール実験をしてみないとなんともいえないのですが,このまま回避方法がないようだと,Windows11へのアップグレードは厳禁,Windows10のまま使い続けて,2025年10月に処分(義父のパソコンはスタンドアロンで使用するかも)ということになりそうです(←取消し線を2023,10,22に付加)。
 自作5号については,PCI-Expressスロットに「モンスターX2」というビデオキャプチャカードを刺しており,むしろ低メモリ環境の方が都合がよいことから,ゆくゆくはスタンドアロンでの使用に移行する予定としておりました。いずれWindows10に戻すことにし,サポート終了までネットに繋いで使用することとします。(←取消し線を2023,10,22に付加)

 高度な機能を要求する仕様になっていなかったのに,当初は子供騙しのようなブロック機能で古いマシンを門前払いとし,リリース後に当初公表した通りの動作要件が必要となる機能をじわじわと搭載して,無理やりWindows11にアップデートしてしまったマシンをことごとく使い物にならなくした,今回のマイクロソフトの悪行は断じて許すことができません。

 あ,私はもう,Windowsがメインマシンではなかったんだ(爆。本文章はM2 Mac miniでの作成によりお送りしました…)。

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(2023,10,7追記)

 格安でブランド名を聞いたことがないSSDを購入してクローンし,上記Inspiron1525やInspiron1545にWindows11 Ver.22H2をアップグレードインストールし,さらにmoment4へのアップデートを行う実験をしたのですが,結局両機とも,自作5号のような挙動は見られませんでした。
 改めて3機種のグラフィックス環境を確認すると,

・自作5号…インテルGMA 3100・グラフィックスメモリ最大256MBを割り当て
・Inspiron1525…インテルGMA X3100・グラフィックスメモリ最大384MBを割り当て
・Inspiron1545…インテルGMA 4500MHD・グラフィックスメモリ最大768MBを割り当て

ということになっており,どうやら自作5号のグラフィックスが一番貧弱なようです。

 グラフィックスメモリの件もそうなのですが,

https://ascii.jp/elem/000/000/807/807578/(2013年の記事です)

によると,GMA 3100はGMA 900→GMA 950→GMA 3000→GMA 3100の順に改良が加えられたものの,記事では「もうこのあたりは性能を求めず、とりあえずWinsows(VistaのAeroグラフィックス)が正しく表示されればそれで良い」という代物だったと紹介されているようです。
 GMA 3000の高性能版がGMA X3000だったのですがドライバ開発の遅れで性能が引き出せなかったという代物だったようです。Inspiron1525のGMA X3100は必ずしもGMA X3000のモデルチェンジ版,というわけではなく,一旦性能を大幅に改善したGMA X3500を開発した上で,そのモバイル版として開発されたという経緯があり,同じ"3100"を名乗っていても,GMA 3100とGMA X3100はある程度中身が違っているような印象があります。
 Inspiron1545搭載のGMA 4500MHDはハイビジョン再生支援機能がついており,GMA X3100よりさらに性能が上がっているとのことです。

 というわけで,Windows11 moment4は,GMA 3100と,GMA X3100の間を縫って動作できるかできないかの壁を作った,という疑いが濃厚となりました(もともとどちらも動作保証をしていないので,意図的に狙ったわけではないのでしょうが)。
 登場が予想されるWindows12のリリースが来年10月だと仮定すると,プレス発表が来年の6月。ということは,Windows11の機能追加は来年の6月まで,しかしその辺りはWindows12に注目を向けさせたいはずなのでもうその時点では新機能の追加を行わないとすると,最後の機能追加は来年の3月に,という予想がつきます。そうだとすると,今回のmoment4のようなかなり大きな規模の機能追加は,Windows11としてはこれが最後ではないか,とも思われます。
 Windows11 Ver.23H2のサポート終期はWindows10 Ver.22H2のそれと同じになるはず。というわけで,義父のInspiron1545あたりを,近々Windows11化してしまおうかと目論んでいるところです。

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(2023,10,15追記)

 自作5号についてはWindowa10に戻してしまおうと思ったのですが,どういうわけかインストールUSBから起動ができず(RufusでMBRブート仕様のインストールUSBを作っても起動せず),仕方がないのでこのままWindows11仕様でその生涯を全うさせることとしました。
 そのためにはmoment4以降切り替わったエクスプローラを使用せず,古い仕様のエクスプローラを使おうと,各Webサイトで紹介されているレジストリの書き換えを試みたのですが,どうやらmoment4以降でこの方法が使えなくなったみたい(なのでURLの紹介はしません)です。仕方がないので,古いエクスローラベースで動く「Windowsツール」をタスクバーに常駐させて,エクスプローラ代わりに使うこととしました。

 その一方で,「もう少しあとで取り組もう」と思っていた,家内のInspiron1525,義父のInspiron1545の2台を,この際一気にWindows11 Ver.23H2+moment4化してしまいました。詳細はVer.23H2絡みの記事の方に書き残しておきます。

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