Windows10がサポートを終了するとどうなるのか,ちょっと頭の体操をしてみた。
Windows10のサポート終了日は2025年10月14日(火)ということですので,いよいよサポート終了まで,残り2年を切った,ということになります。
Windows11のVer.23H2が未だ一般には公開されていないので,分からないことがまだ多数あるのですが,Ver.21H2(すでにEOS)やVer.22H2が2年間のサポート期間だったことを考えると,Ver.23H2のサポート期間もやはり2年と考えられるので,Windows11のVer.23H2はWindows10と同時期にサポート終了となる,ということが考えられます。
そう考えたことから,とうとう先日,アップグレードすると明らかに動作が遅くなったオンキヨーのネットブックC413を除き,家中の全てのマシンをWindows11化してしまいました。
来年,噂の「Windows"12"」が本当にリリースされるとした場合,仮にリリース時期が2024年の10月とすると,Windows11の時と同じように,来年の6月ごろには開発の発表があり,それと同時にWindows11への大きな機能追加はなくなるでしょう(しかしWindows11リリース後でも,Windows10はタスクバーの検索窓などに,若干の意匠変更があったような気もする)。
昨今ではWindows11は"moment"と称してバージョンアップとは別に,機能を次々追加するようになりました。特に今回の"moment4"は機能の追加がかなり大きく,古く貧弱なグラフィックスでは一部表示がおかしくなるようなこともありました。ただ,Windows12の動向を考えると,その機能追加も来年の春までに,小規模なものがあと1〜2回程度になるのではないかと見込んでいます。
そしてしばらくは行われるであろうWindows Updateによる大型アップデートについても,すでにVer.23H2については「有効化パッケージ」により提供されると公表されており,Windows12リリース後は,Windows11リリース後のWindows10同様,Windows11も今後は「有効化パッケージ」による大型アップデートになるのではと,これまた見込んでいます。ということは,CPUが動作要件外で一見大型アップデートが受けられなかったとしても,Dismにより手動で大型アップデートを適用できるのではないか,という予想も立ちます。
以上のように判断したことから,物理的にアップデートできる家中のマシンを全てWindows11化してしまったというわけです。
さて,大型アップデートを全て受け続けることができたとして,Windows11は果たしていつまで使うことができるのでしょうか。「Windows10が10年間のサポートを約束していることから,Windows11もやはりサポートは10年で,つまり2031年頃まで使うことができるのではないか」と紹介しているサイトもありますが,それは甘い考えなのではないか,とも思います。第一マイクロソフトは,Windows11の最終的なサポート終了時期を,実はいまだに公表していません(それも「凶悪だ」と感じているところ)。Windows12がリリースされてから1年後の2025年に最終の大型アップデートを実施し,Widnows10にならってそこから3年のサポート期間をとるとすると,Windows11のサポート終期は2028年になるのではないか,と私は予想しています。が,凶悪になったマイクロソフトのこと,それよりサポート終期を早めて,Windows12への移行を進めたいところなのかも知れません。
とまぁ,家庭用であれば基本は自己責任の世界ですから,サポートがどうなろうが仕方がない,と言ったところなのですが,問題は業務向けのWindowsマシン。4月に転勤した今の職場では,前の職場以上にWindows11機を見ません。ほとんどがWindows10機です。現に私が使っているマシンも,インテル第5世代のノートパソコンなので,公にはWindows11にはアップグレードできません。
ところが遅々として古いパソコンのリプレースが進まない。これは職場が,というよりも職場の上位組織が,以前にも増して新しいマシンの導入を渋っている印象があり,そのために半年に1回,わずかずつパソコンを入れ替えるしかない,という状況がここしばらく続いているためです。Windows10のサポート終了まで2年を切ったのですが,職場の上位組織は,あまり本気になって考えているようには見受けられません。
Windows7(8)から10への移行は,無料アップデートというエサが効いたのか,うちの職場関係では結構Windows10への移行が進みました。「動作要件外」という概念はほとんどなかったのですが,厳密にはパソコンメーカー側でWindows10へのアップグレードを推奨しない機種もあった(そのような機種の場合アップグレード用のドライバを準備しなかったり,手順を紹介しなかったりした)ようでしたが,Windows10側ではよほどのことがない限り,Windows11のようにアップグレードを拒否するようなことはありませんでした。それでも前の職場ではWindows8.1があてがわれたので唖然としたのですが,それも職場全体で10台あるかないか,という感じでしたので,そんなに問題にはならなかったように思います。
しかしWindows10から11への移行はそんなに簡単にいくのかどうなのか。Windows7の時は,企業ユーザに対し有償による延長サポート(ESU)が提供されたものでした。それを行うと公表したのがサポート終了1年4ヶ月前の2018年9月のことでしたから,Windows10にあてはめて考えると,来年春には,Windows10用ESUのリリースがあるのかも知れません。しかし有料で,しかもWindows7の時はサポート終了が近づくにつれその費用はどんどん増えていく仕組みでしたから,職場に多数残っているWindows10機にそれを導入するのは膨大なコストがかかる可能性があります。
いっそLinuxを導入するのも手かも知れません。が,ただでさえ忙しいところにLinuxのユーザ教育をどうやって行うのか。もう今から25年ほど前のような,Windowsパソコン導入期のようなユーザ教育をやる余裕は,今の職場にはありません。
そうなると,残る手段はただ一つ。
「動作要件外のマシンを,無料でできる間に強引にWindows11にアップグレードしていく」
これしか考えられません。標準のインストール手順でインストールできないものについては,Rufus等で加工したUSBメモリでインストールするか,あるいはおまじないのコマンドを入れてインストールするか,とにかく職場の上位組織でその手順をわかりやすく作るのです。
そして大型アップデートについても,バッチファイルを作って配布し,それを適用していくと。これで2028年まで乗り切り,その間にゆっくりパソコンをリプレースしていくしかありません。
当然,上記手順はマイクロソフトは認めない,パソコン評論関係でも「それはしてはいけない」と言われている,webサイトの意見を見ても,特にパソコンサポートをしているような方が作るwebサイトでは「やってはいけない」という意見を書かれているようです。それらはもちろんごもっともな意見です。
ではこの,動作要件外のパソコンをWindows11化する行為。法的に見て,あるいはコンプライアンス面から見てどうなのか。本当にやってはだめなのか。Windows11化して「未知のコンピュータウイルスによる障害が発生し,顧客にそれが影響した場合,どう責任をとるのか」という問題もありましょうが,それを言うならサポート終了後のWindows10を放置したまま使い続けた方が,もっとコンプライアンス的には問題となる行為なのではないかと。このあたり,どなたか論点を整理していただけないものでしょうかねぇ。
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コメント
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|4月に転勤した今の職場では,…(中略)…インテル第5世代のノートパソコンなので,公にはWindows11にはアップグレードできません。
https://youtu.be/yFAj9C7DnUc?t=858 で紹介されていたジャンクPC,「福袋」のためいろいろなおまけがついて5000円だったらしいのですが,今職場で使っているノートパソコンより新しいです…。
ゴミよりひどいパソコンを仕事で使っているのかよ(爆)。
投稿: くすぴー | 2024年1月 6日 (土) 17時37分