「小さな驚き」は泡と消えた…。

　2021年12月31日付の拙ブログの記事から。

|次いで，最初の人が出てきてマイクロソフトストアの機能拡張について話をした後，「小さな驚き」と言いつつ，実はWindows11の最大の目玉であった，アマゾンの(Android用)アプリストアが使用できるという話。改めて動画を見直すとそれについて説明された時間はごくわずかで，

　アメリカでは2021年の10月からWindows11で使えるようになった，”Windows Subsystem for Android”。日本でのリリースはかなり遅れて翌年8月のこと。実際にインストールしてみた2022年8月19日の拙ブログの記事では，

|昨年6月に公開されたWindows11の紹介動画で「小さな驚き」だと言っていたAndroidアプリの実行機能。ふたを開けてみると「なぁんだ」と思ってしまうありさまで，小さい驚きすらも沸き起こりませんでした。

　しかし先日，

https://softantenna.com/blog/windows-subsystem-for-android-support-end/

「小さな驚き」のはずだったこの機能，来年の3月5日をもってサポートを終了してしまうのだとか。

　MacがARM系のプロセッサに変わったことで，iOSやiPadOS用のアプリが動作するようになったのに対抗したのか，とはいうもののスマートデバイス用のWindowsは開発を中断してしまったのでした。なんとかして新しいWindowsをリリースさせて新味を出したいマイクロソフトは，その新しいWindowsでAndroid用のアプリが動くようにしたかったのですが，さすがにGoogle Playを導入するわけにはいかなかったので，Amazonと手を組み，Amazonのアプリストアで供給されているAndroidアプリが使えるようにした，ということでしたでしょうか。

　2021年6月のWindows11のリリース発表では，Windows10に比べていろいろな機能が強化されたと高らかに謳われていたものの，なんとなく迷作Windows Vistaを彷彿とさせるようなプレゼンテーションだったように思います。そこで「小さな驚き」と言いつつ本当は目玉機能として，Androidアプリ動作機能について訴えていたように覚えています。

　前述の通り日本ではリリースが遅れ，待たされた挙句の新機能”Windows Subsystem for Android”は，実際に動作させてみると，しょぼいアプリが這う這うの体で動いている，といった状況で，機能としては大幅に期待はずれ，ただ，Kindleアプリだけは，Windowsネィティブ版がもともと使いにくい有様だったこともあり，意外とAmazonアプリストア版の方が使いやすかった，という印象も残っているのですが，ただそれだけといった感じでした。

　だから”Windows Subsystem for Android”のサポートをやめる，と聞いても，「あぁそうですか」といった感じで，別に困ることはない(そもそも今のメインマシンはMacなのでもはや何の関係もない。そのMac，意外とiOSやiPadOS用のアプリは動いてくれない。しかし同様に困ることはない)状況。
　もっとも，Windows11にとっての目玉機能は，すでに"Copilot"に置き換わっており(OSビルトインの"Copilot"，Edgeの中で使う"Copilot"に加え，有料オプションに加入しないと使えない"Copilot"もあるので，ややこしい印象があるのだが)，”Windows Subsystem for Android” をなくしてしまっても，マイクロソフトが困ることはもはや何もないのかもしれません。

　ただ，Windows11の目玉機能が途中で大幅に変わってしまう，ということは，「Windows11が，機能の煮詰めが甘いまま慌ててリリースされてしまった」という事実を，自ら認めてしまった，ということであり，私がWindows11の開発者だとしたら，それはかなり「恥ずかしいこと」だと思うのではないか，という気がします。

　しかし実は，私はこの件ではもうひとつ大きな疑問を持っていて，

・やはりWindows11の目玉機能は”Windows Subsystem for Android”だった，という結論になるのではないか。

ということと，

・"Copilot"という機能は，実はWindows11の目玉機能にはならない，なり得ないのではないか。

と思ったりもしています。

　なぜそう思うのか。そのあたりは次回記事にまとめようと思います。