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2025年2月12日 (水)

さらばCore2,さらばWindows10,さらばWindows11 Ver.23H2…。(3)

 昨年12月から始まった長期連載の3回目となります。今回は,当時としては低消費電力・高性能となったCore 2が,プロセスルール45nmと微細化された頃の話となります。
 それはそれとして,日本時間で今月1日,ついにWindows11 Insider ProgramのBetaチャネルがついにVer.24H2ベースに変更となり,Core 2では動作しなくなったという,大きな節目を迎えました(ただし今のところVer.23H2のBetaチャネルもリリースされ続けている)。私も,この機に自作5号を処分するつもりだったのですが,いろいろな都合でFMV-D1200の方をこの度処分してしまったのでした。
 今回はプロセスルール45nm化したCore 2系CPUの紹介となるのですが,その前に,日本時間2月12日にリリースされたWindows Updateの情報から。

・Windows10 Ver.22H2…KB5051974 ビルドは19045.5487に
・Windows11 Ver.23H2…KB5051989 ビルドは22631.4890に

 拙宅の環境では問題なくインストールできたようです。

 プロセスルール45nmのCore 2がリリースされたのは2007年11月,まずエバンジェリスト向けのCPUが登場しました。
・Core 2 Extreme QX9650(3.00GHz)
 4コアで,コードネームは"Yorkfield XE"。L2キャッシュが1.5倍の計12MBになり,"SSE4"の命令セットにも対応。65nmのCore 2 Extreme QX6850と比べ,性能が高いのに消費電力が低く,発熱が低いので扱いやすいという特徴がありました。

 2008年1月になり,この45nm版Core 2が次々登場します。デスクトップ版が2コアの,
・Core 2 Duo E8190(2.66GHz)/E8200(2.66GHz)/E8400(3.00GHz)/E8500(3.16GHz)
のラインナップ。コードネームは"Wolfdale"で,QX9650同様,高性能・低発熱・低消費電力という特徴を持っていました。なおE8190はE8200から仮想化技術"VT-x"を無効化したものとなっています。
 一方モバイル版は,
・Core 2 Extreme X9000(2.80GHz)
・Core 2 Duo T8100(2.10GHz)/T8300(2.40GHz)
・Core 2 Duo T9300(2.50GHz)/T9500(2.60GHz)
がリリースされました。コードネームは"Penryn (XE)"。T8000系はL2キャッシュが半分の3MBで,X9000とT9000系はL2キャッシュ6MBとなっています。
 そしてようやく拙webにも掲載されたCPU,"Core 2 Duo T8300"が登場します。嫁用に購入したDELLのInspiron 1525に搭載されたのがそれでした。2008年夏に購入し,2022年11月までそのままの状態で使用。それ以降上記にも掲載した"Core 2 Duo T9300"に換装したのですが,このT9300もこの時期のリリースだったのですね。
 その後,3月までにデスクトップ版4コアの,
・Core 2 Extreme QX9770(3.20GHz)
・Core 2 Quad Q9300(2.50GHz)/Q9550(2.83GHz)
が登場します。Q9550はL2キャッシュ12MBなのに対し,Q9300はL2キャッシュを半減させて6MBとしています。

 L2キャッシュ半減化により買い求めやすくする手法はさらに広がっていき,4月には,
・Core 2 Duo E8300(2.83GHz)
・Core 2 Duo E7200(2.53GHz)
かリリースされるのですが,E7200がL2キャッシュ3MB版となります(FSBも1066MHzに下がっている)。そして5月には4コアの,
・Core 2 Quad Q9450(2.66GHz)
が登場,これはうちの環境では自作4号の換装用に購入し,その後FMV-D1200に,そしてつい最近自作5号に換装した"Xeon X3350"とよく似た仕様になっています。

 6月になると,モバイル用Core 2 Duoに新たなシリーズが追加されます。
・Core 2 Duo P8400(2.26GHz)/P8600(2.40GHz)
 これはFSBを1066MHzに向上させたのに対し,TDPを25Wに低減させたシリーズとなっています。"P"の次の数値の千の位が"8"となっているので,L2キャッシュは3MB仕様になっています。
 モバイル版についてはその後9月までに,
・Core 2 Extreme QX9300(2.53GHz)
・Core 2 Extreme X9100(3.06GHz)
・Core 2 Quad Q9100(2.26GHz)
・Core 2 Duo T9400(2.53GHz)/T9600(2.80GHz)
・Core 2 Duo P9500(2.53GHz)
c・Core 2 Duo SP9300(2.26GHz)/SP9400(2.40GHz)
・Core 2 Duo SL9300(1.60GHz)/SL9380(1.80GHz)/SL9400(1.86GHz)
・Core 2 Duo SU9300(1.20GHz)/SU9400(1.40GHz)
・Core 2 Solo ULV SU3300(1.20GHz)
・Celeron T3100(1.90GHz)
・Celeron M ULV 722(1.20GHz)/ULV 723(1.20GHz)
のように,ハイパフォーマンスCPUから,モバイル向けに初めて2コア化されたバリューCPU,低電圧版に超低電圧版など,幅広いラインナップが完成しました(もっとも日本では,この頃「4コア」のノートパソコンは,あまりリリースされなかったような気がする)。この世代のモバイル向けCPUはデスクトップ向けとほぼ同様のソケットに装着されるため,CPUの換装ができるのですが,いわゆるプリフィックスに"S"がついているとハンダで取り付けるため換装ができない"BGA"版となっており,SP9300やSP9400は低電圧版でないモバイル用CPUでありながら"BGA"のため換装ができないものになっている,ということなのでしょう。
 一方のデスクトップ版も,9月までに,
・Core 2 Quad Q9400(2.66GHz)/Q9500(2.83GHz)/Q9650(3.00GHz)
・Core 2 Quad Q8200(2.33GHz)
・Core 2 Duo E8600(3.33GHz)
・Core 2 Duo E7300(2.66GHz)
・Pentium E5200(2.50GHz)
が用意され,"VT-x"を外して少しお手軽にしたモデルも多く投入されました。特に,拙webで自作4号に使用した"Core 2 Quad Q8200"は,L2キャッシュを4MBとさらに低減させ,"VT-x"も外して一層の低価格化を図ったモデルで,4コアCPUを一般パソコンユーザに普及させる原動力となったモデルのように思います。
 このQ8200は65nm版Core 2時代の型遅れのマザーポードでも使えたのですがBIOSの更新が必要で,Intel DP35DPマザーボードを使うためにわざわざCeleron 430もオークションで落札して入手し,BIOSアップデートしてからQ8200を装着した,という思い出もあります。

 引き続きデスクトップ版は12月までに
・Core 2 Quad Q8300(2.50GHz)
・Core 2 Duo E7400(2.80GHz)
・Pentium E5300(2.60GHz)
の,パワーアップモデルが追加されています。4コアのQ8300はL2キャッシュ4MB版ながら,クロックを上げただけでなく,"VT-x"を追加したモデルとなっています。
 一方モバイル版も,
・Core 2 Duo T9550(2.66GHz)/T9800(2.93GHz)
・Core 2 Duo P9600(2.66GHz)
・Core 2 Duo P8700(2.53GHz)/P8800(2.66GHz)
・Core 2 Duo P7370(2.00GHz)
が追加されます。このうち"Core 2 Duo P8800"は,義父用に2010年早々に購入した,DELL Inspiron 1545のCPU換装用に,2020年に入手しました(当時はコロナ禍まっただ中だったため,暇にまかせてCPU換装をした覚えがある)。

 しかしこの頃,2008年11月に新たなアーキテクチャを持つ"Core i7"が登場します。これにより"Core 2 Extreme"が置き換えられることになりました。この頃の"Core i7"は実験的な要素が多く,Core 2よりは確かに高性能かも知れないが,あまり一般的ではない印象もありました。そのようなことや,そもそも給与の引き下げでお金に余裕がなかったこともあり,この頃組み立てた自作4号は必然的にCore 2で組むしかなかったのでした。

 さて2009年1月になり,デスクトップ版は,
・Core 2 Quad Q9400S(2.66GHz)/Q9550S(2.83GHz)
・Core 2 Quad Q8200S(2.33GHz)
・Core 2 Duo E7500(2.93GHz)
・Pentium E5400(2.70GHz)
が登場。Core 2 Quadの型番末尾に"S"がついたモデルはTDPが65Wに低減化され,通常版と比べやや高価なものの,性能は同じまま低発熱なため,より小型のマシンが組めるメリットがありました。
 一方のモバイル版は3月までに,
・Core 2 Quad Q9000(2.00GHz)
・Core 2 Duo T6400(2.00GHz)/T6600(2.20GHz)
・Core 2 Duo P7450(2.13GHz)
・Core 2 Duo SP9600(2.53GHz)
・Core 2 Duo SL9600(2.13GHz)
・Core 2 Duo SU9600(1.60GHz)
・Pentium T4200(2.00GHz)
・Celeron 900(2.20GHz)…1コア
が追加されます。
 なおこの頃,iMac向けのCore 2 Duo,
・Core 2 Duo E8135(2.66GHz)/E8235(2.80GHz)/E8335(2.93GHz)/E8435(3.06GHz)
が登場します。型番的にはデスクトップ向けCPUのように見えるのですが,モバイル向け"Penryn"のApple向けカスタマイズ品となっており,TDPは44Wに拡張されていました。

 次いで6月までに,デスクトップ版は,
・Core 2 Quad Q8400(2.66GHz)/Q8400S(2.66GHz)
・Core 2 Duo E7600(3.06GHz)
・Pentium E6300(2.80GHz)
・Pentium E2210(2.20GHz)
が登場します。Pentium E6300はまさしく自作5号用に購入し,次いでFMV-D1200に換装したCPUです。FSBが1066MHzに向上した初めてのモデルでした。一方モバイル版は,
・Core 2 Duo T9900(3.06GHz)
・Core 2 Duo T6500(2.10GHz)…VT-xなし/T6570(2.10GHz)
・Core 2 Duo P9700(2.80GHz)
・Core 2 Solo SU3500(1.30GHz)/ULV SU3500(1.40GHz)
・Pentium T4300(2.10GHz)/SU2700(1.30GHz)
・Celeron T3000(1.80GHz)
が登場します。

 9月にはデスクトップ向けにCore i7の新機種に加えミドルレンジのCore i5もリリース,モバイル向けにもCore i7が投入されます。したがってCore 2系列はミドルレンジからバリュークラスへの移行が始まっていきます。9月までにデスクトップ向けのCore 2系CPUは,
・Core 2 Quad Q9505(2.83GHz)/Q9505S(2.83GHz)
・Pentium E6500K(2.93GHz)…倍率ロックフリー・日本未発売/E6500(2.93GHz)
・Celeron E3200(2.40GHz)/E3300(2.50GHz)
が,そしてモバイル向けには,
・Core 2 Duo T6670(2.20GHz)
・Core 2 Duo P7550(2.26GHz)…VT-xなし/P7570(2.26GHz)
・Pentium SU4100(1.30GHz)
・Celeron SU2300(1.20GHz)
・Celeron M ULV 743(1.30GHz)
が登場。"Core 2"ブランドの新CPUはこれが最後となります。

 2010年には"Core 2"系列のCPUは全てバリュークラスのみのリリースとなりました。2010年内にリリースされた"Core 2"系のCPUはデスクトップが,
・Pentium E6600(3.06GHz)/E6700(3.20GHz)/E6800(3.33GHz)
・Pentium E5500(2.80GHz)/E5700(3.00GHz)/E5800(3.20GHz)
・Celeron E3400(2.60GHz)/E3500(2.70GHz)
モバイル版が,
・Pentium T4400(2.20GHz)/T4500(2.30GHz)
・Celeron T3300(2.00GHz)/T3500(2.10GHz)
と登場し,さらに2011年3月までに,
・Celeron 925(2.30GHz)/ULV 763(1.40GHz)
がリリースされて,以後はバリュークラスも"Core i"系に移行したのでした。

 こうやって"Core 2"系のCPUを振り返ってみると,本記事の始めの方にも書いたのですが,今回取り上げたプロセスルール45nmの"Core 2"は,「(先代のPentium4/Dに比べ)低消費電力・低発熱ながら高性能」という特徴がある,ということが改めて分かりました。
 「低発熱」ということは,もちろんCPUクーラーを小型化したり,クーラーのファンの回転を低く抑えたり,というメリットもあるのですが,熱の影響が少ないため無理なく運用できる,ということも意味しており,無理なく運用できるということは,つまり長寿命につながった,ということもいえるかと思います。動作要件対象外ながら,Windows11のVer.23H2まで使うことができた原因は,こういうところにあるのだろうかと思います。
 "Core i"系のCPUも,2008年暮れの登場から昨年秋のデスクトップ版"Core Ultra"の登場まで実に16年近くに渡りブランドネームを維持しました。中には第2世代の"Sandy Bridge"や第6世代の"Skylake"といった名作CPUもあるのですが,プロセスルールの微細化の失敗に始まり,供給不足の問題や,昨今の第13・14世代の欠陥問題も引き起こしました。特にここ数年の高性能を追求した挙句の高消費電力化・高発熱化は,欠陥がなくとも寿命が短そうな印象があり,高価格化も影響して,インテル製のCPUは安心して購入できない代物になってしまったとしか,言いようがないでしょう。
 そういえば,本日の"PC Watch"にも,興味深い記事が掲載されていましたね。

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コメント

はじめまして 突然ですが…
windows携帯 F 07Cを発売と同時に購入したものです。
HPを拝見しての書き込みなんですが、現在GMA600のグラフィックドライバーを削除したため600×400で縦画面の状態です Intelではサポート終了で富士通では現在のキャリアがdocomoない為受付不可になっています。すでに携帯が
使えないので契約は切ってあります。
そこで、GMA600を探していたところでドライバーをお持ちならダウンロードは可能でしょうか。
携帯にはwindows7アルティメットとoffice2007proが入ってますが、困っていますのでお尋ねした次第です。

投稿: haruichiban | 2025年2月17日 (月) 15時41分

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