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2025年4月 9日 (水)

さらばCore2,さらばWindows10,さらばWindows11 Ver.23H2…。(5)

 昨年12月から始まった長期連載も気がつけば5回目。OS編の2回目は,「迷作」Windows Vistaに続き,一応「名作」と言っていいでしょうか,Windows7を取り扱っていきます。
その前に,日本時間4月9日にリリースされたWindows Updateの情報から。

・Windows10 Ver.22H2…KB5055518 ビルドは19045.5737に
・Windows11 Ver.23H2…KB5055528 ビルドは22631.5189に

 拙宅の環境では問題なくインストールできたようです。

 迷作Windows Vistaに代わる新OSのWindows7のベータ版がリリースされたのは2009年1月のことだったので,あのVista狂想曲の始まりからわずか2年しか経っていなかったことになります。私もWindows VistaがインストールされたCore2 Quad機にパーティションを分けてインストールしてみたところ,Vistaに比べ結構高速に動いていたので驚いたことがありました。
 ベータ版ということもあり作り込みが不足していたのか,大量のファイルを移動しようとしてそれに失敗し,ファイルが消えてしまったトラブルが起きてしまったため,この時点では常用するには至らなかったのですが,Windows Vistaに比べ素性のよさが感じられ,正規リリースに大きな期待を感じたものでした。
 Wikipediaによると,Windows7はWindows Vistaを元にしてカーネル設計やコンポーネント化のモデルの改良が行われた,といいます。だから見た目はVistaとあまり違いはないのですが,こってりした画面の作りだったVistaに比べさっぱりした画面構成だなと感じました。内部バージョンは7ではなく,"6.1"であることからも,Windows Vistaのビッグマイナーチェンジ版であることが分かります。

 2009年5月には早くもRC版がリリースされ,こちらもダウンロード。そして今度は上記Core2 Quadマシンにアップグレードインストールを施し,Vistaに代えてWindows7の常用を開始したのでした。結局正式版がリリースされるまで,このRC版で問題なく使用することができました。職場ではこの年ようやくWindows Vista搭載のCeleronマシンがあてがわれたので,引き続きVistaは使い続けることになるのですが,私的にはWindows Vistaの歴史はこの時点で終了した感じがありました。
 この頃自宅に持って帰っていた,HT Pentium4/3.06GHz搭載のマシンにもインストールを試み,それほど高速には動かないものの,こちらもVistaよりはそこそこ動作させることができたので,これはインストール可能な家中のマシンは全てWindows7化すべきではないかと思ったものでした。
 ところがこのHT Pentium4/3.06GHz搭載のマシンは電源の不調によりあえなく使用中止。Pentium E6300を搭載したマシンに代替わりし,このマシンには当初からWindows7 RC版を入れ,正規版のリリースまでテストランを行うことにしたのでした。

 そして7月,Windows7の正式リリースに向け,ベータテスター向けに,事前に優待価格での予約販売が行われることになったのですが,その価格が,Home Premiumのアップグレード版がなんと7,777円,Professionalのアップグレード版が14,777円と,「これまで極悪マイクロソフトだなんて言って本当に悪かった」と,(あくまでも当時としては)慈愛に満ちた太っ腹な企画に大きく感謝したものでありました。
 しかしこれはあくまでも数量限定。キャンペーン開始日の夕方にこのことを知り,慌ててア◯ゾンのサイトを見るとパッケージ版すでに完売とのこと。しかしこのキャンペーンでは「ダウンロード版」も販売される,ということで,マイクロソフトのサイトをみるとこちらはまだ予約可能。そこでHome Premium版を2本と,Professional版を1本予約することができました。
 ところがこのキャンペーン,ダウンロード版もあっという間に完売となり,10日間行われるはずだったお祭りはわずか1日で終了と相なったのでした。

 パーツと一緒に購入するDSP版Windows7が秋葉原で発売開始されたのが2009年10月22日0時のこと。Windows Vistaの発売開始よりも多くの人が集まったらしく,「Windows98以来の賑わいだ」という声もあったのだとか。そんな秋葉原の喧騒がようやく落ち着いたであろう午前1時,たまたま起きていた私のところにマイクロソフトから「Windows7の製品版がダウンロード可能になった」とのメールがやってきたのでした。
 2009年10月22日といえば木曜日。朝になれば通常の木曜日の仕事があるのにも関わらず,早速Windows7のダウンロードを開始してしまったのでありました。当時は100Mビットの光回線。「32ビット版のHome Premium」をダウンロードしようとする人が多かったのか,ダウンロード終了までには20分程度の時間が必要でした。もっとも,「Professionalの32ビット版」「両エディションの64ビット版」をダウンロードする人は多くなかったのか,これらのダウンロードはそれぞれ5分程度で済んでしまいました。

 とりあえず家内のCore2 Duo搭載ノートパソコンだけアップグレードしてしまおうと思い,isoファイルをDVDに書き込んで早速インストール。結構時間がかかったもののインストール中に大きなトラブルに見舞われることもなく,拙webページによると「秋葉原を中心に世の中に出回ってから3時間半後」という記述があるので,22日未明の3時30分ごろには,東京から700km以上離れた当地でも正式版Windows7搭載のマシンが動いていた,ということになるのでしょうか。へたすると秋葉原でWindows7を購入した人たちよりもいち早く正式版Windows7を体験できたのかもしれない。

 その後Pentium E6300搭載の家族共用マシンも正式にWindows7化。子供の通信教育の関係で32ビットOSが要求されていたので,嫁用マシンと同じDVDを使ってインストールを行いました。
 ところが自分がメインに使っていたCore2 Quad Q8200機については,Professional版を入れることにしていたものの,32ビット版にするか,64ビット版に変更するか,結構悩ましかった記録が残っています。何よりも当時,親指シフトを実現するためのIME,富士通の"Japanist2003"が64ビット非対応というのが一番のネックで,その他当時所有していた多くの周辺機器が32ビットOSまでの対応にとどまっていたり,ブルーレイドライブの「ユニットアテンション」問題に悩まされたりということが続き,結局正式に64ビット化したのは翌2010年の9月のことでした。

 Windows7化により,ネットブックのOSもWindows7を搭載するようになりました。ただそれらには,Windows7のフル機能を使うことができない,"Starter"と呼ばれる,グラフィックやマルチメディアに関する機能が制限されたエディションが用意されたのでした。我が家でも2010年10月にAtom N450搭載のネットブックを購入し,家内用のサブマシンとして使っていた(過去形にするな←現時点でも一応稼働状態にあるため)。
 その他義父のパソコンも2010年1月に新調しました。義父の都合でまだサポート継続中のWindowsXP仕様としたのですが,ライセンス的にはWindows7 Professionalの64ビット版を購入したことになっていたのでした。
 忘れてはならない富士通からWindows7パソコンを内蔵した携帯電話"F-07C"が2011年7月に登場,私も5ヶ月遅れの12月に購入し,そこから実に4年間使い倒したのでした(もっともWindowsパソコンとしての寿命はたかだか2〜3年ほどであった)。

 Windows7のサービスパック1が出たのは2011年2月のこと。よくよく考えれば,Windows7のサービスパックはこれ1本だけでした。
 また,Windows7に搭載されていたブラウザのInternet Explorerのバージョンは"8"。Windows7のサービスパック1がリリースされた直後にバージョン"9"が登場したのですが,リリース直前に日本では東日本大震災が発生,そのため日本語版のリリースが4月下旬まで延期されたものでした。
 さらに,Windows7のサポートについては,Professional等のビジネスエディションは延長サポートを含め2020年始めまで約束されていたもののHome Premium等の家庭用エディションについては延長サポートがなく,2015年始めまでということになっていたのですが,2012年2月にそれを撤回,全エディションで2020年始めまでのサポートを行うことに変更されたのでした。
 他には,Windows Vistaで採用された「デスクトップ・ガジェット」がこのWindows7にも踏襲され,天気のガジェットを入れたり,CPUやメモリの使用率がわかるガジェットを入れたり,そうそう昔のNHKの正午や19時の時報で使われた「NHK時計」のガジェットを入れて悦に入っていたものでしたが,2012年の7月に脆弱性があることが分かり,そのようなガジェットが使えなくなってしまったのはちょっと大きいトラブルだったような気もします。

 Windows7がメインストリームだったころの話は大体以上となります。細々とした悩みはあったものの,全体としては出来損ないのWindows Vistaに比べてはるかにまともに動き,久々に好感のもてるWindowsとなったのでした。
 しかし無情にも,次世代のバージョンである"Windows8"が開発中であることが2012年の4月に公表され,そしてその年の10月にリリースされたのでした。ところがWindows8は操作性が劇的に変わってしまったため,我が家では私が使っているマシン以外はWindows7のまま続投することを早々と決め,職場でもWindows8搭載マシンの導入はなかなか進まず,Windows7仕様にダウングレードして新たなマシンを導入する状況がしばらく続いたのでした。このようなことから,「Windows7は,意外と長く使うOSになるのではないか」と思ったものでした。

 予想通り,Windows8は失敗したOSとなってしまったのでした。ところがそのWindows8を大幅にブラッシュアップした"Windows10"ではなんと,Windows8/8.1だけでなく,Windows7からも,発売開始から1年以内は無償でWindows10にアップグレードできる,という超太っ腹な施策を行うと,2015年1月に発表。「Windows10は避けて通れないOSとなる」と思った一方,名作だと思ったWindows7との別れは意外と早いのかも,とも思ったものでした。
 Windows7のままだった家内や義父のパソコンもこの際Windows10化することに決め,2016年の春,相次いでWindows10にアップグレードし,我が家にWindows7のベータ版が入ってから実に7年で,我が家からWindows7が駆逐されてしまったのでした。
 同じ頃職場で使用したパソコンもWindows7からWindows10にアップグレードしたので,それ以降Windows7を触ることは少なくなってしまいました。
 しかし世間では結構Windows7のマシンが多く残っていたので,2020年1月のサポート終了時には,企業向けに限り"ESU"と呼ばれる,高額な延長セキュリティ更新プログラムが導入されたものでした。それも一昨年の2023年1月にはすでに終了されています。

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(2025,4,29追記)
 うっかりしてました。
 次回のWindows Updateは,日本では第2火曜の次の日である5月14日(水)が予定されているのですが,私そこから数日出張のため家を空けております。
 本体の記事(Windows8/8.1を予定)はこのGW中にちまちま書き上げる予定ですが,本記事のある意味「肝」となっている,Windows10 Ver.22H2とWindows11 Ver.23H2の正式版ビルド番号,そしてそれらのビルドが正常にインストールできたかどうかについて,5月14日中にアップすることができません。
 数日遅れてからの記事公開となります。誰も期待して待っていないとは思うのですが,それでもこの記事のシリーズはそこそこアクセス数をいただいており(ありがとうございます)ますので,念のため事前にお知らせをいたしました。

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