さらばCore2,さらばWindows10,さらばWindows11 Ver.23H2…。(7)
いよいよ本丸の"Windows10"を扱うこととなった本長期連載。この連載が折り返しを迎えたということは,Windows10,Windows11 Ver.23H2,そしてCore2搭載コンピュータのデットエンドも,いよいよ近くなってきたということが言えるかと思います。今回はWindows10のVer.1507版,そしてVer.1511版を取り扱います。
それでは本編の前に,日本時間6月11日にリリースされたWindows Updateの情報から。
・Windows10 Ver.22H2…KB5060533 ビルドは19045.5965に
・Windows11 Ver.23H2…KB5060999 ビルドは22631.5472に
拙宅の環境では,Windows11 Ver.23H2については特に問題なくインストールでき,Windows10も…とよく見ると,
なんとVer.2009に逆戻りしてしまいました。って,Ver.2009ではなく,"Ver.20H2"と言っていたんじゃないの?
というか,これはつまらないバグが原因なのだろうと思います。他の方もすでに報告されています。
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(2025,6,21追記)
バージョン番号の間違いどころか,今回のWindows Updateは,対象機種所有の人たちにとってはテロに等しい被害を受けているみたいですね。
Windows Update適用後,再起動すると,メーカーロゴと「自動修復を準備しています」の表示が出たまま止まってしまう,と言う症状のようで,マザーボードのCMOSクリアを実行しても症状が改善されない,という,極めて重篤な障害のようです。
Windows11非対応の富士通機でこの問題が明るみになったため,"Windows10"だけの問題かと思っていたら,複数メーカーで,しかもWindows11がインストールされているマシンでも同様の症状になることが発覚し,どうも今回のWindows修正差分に共通して発生している現象のようです。
公式の修復方法は未だ各メーカーから公開されておらず,メーカーによっては「修理対応」を早々と打ち出しているところもあるようです。
とにかくマイクロソフトの修正差分の品質が,本当に落ちてしまっているような気がします。Windowsは,本当に大丈夫なのですか?
あ,うちですが,各マシンとも今のところ正常に動作しているみたいで,本件からは難を逃れているようです。
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「これが次期Windowsだ」と称して"Technical Preview"版が公開されたのが2014年10月のこと。この時点では"Windows10"だと公表されていなかったものの,「次期Windowsは"Windows9"ではなく"Windows10"だ」ということは,すでにこの段階で言われていたようです。私も早速入れてみようと思い,"Windows Home Server"用マシンとして導入していたものの,NASに移行したので放置状態になっていたPentium4機に,その64ビット版を入れようとしたのですがあえなく失敗。その理由としては,前回5月分で紹介の通り,Windows8.1 64ビット版の段階でCPUの足切りが行われていたこと,具体的には,"PrefetchW"や"LAHF/SAHF"に対応できていないから,と言うことのようでした。
このような場合でも32ビット版ならインストール可能だったようなので,とりあえず32ビット版をインストール(詳述は避けるがこれも一筋縄ではいかなかった)。
その後は「次期WindowsはWindows8/8.1だけでなく,Windows7からも,しかも無償でアップグレードできる」という噂も流れてきたものでした。
翌2015年1月下旬,次期Windowsは"Windows10"であること,そして噂通り,Windows7/8/8.1からも,発売開始1年間の間は無償でWindows10にアップグレードできることとなり,本当にこの時は,マイクロソフトが「菩薩」に見えたものでした。
前述のPentium4機をほとんど触ることがなく,Windows10を体験することがなかなかできなかったため,5月に導入された"Insider Preview"プログラムを利用して,利用頻度が落ちていたCore Soloのモバイル機にアップグレードしてみました。
Windows10のシステム要件は,メモリが32ビット版で1GB,64ビット版で2GB,CPUはクロックが1GHz以上(64ビット版には上述の要件も加わる)ということになっていました。インテルのwebページによると実は,Windows10を正式にサポートするCPUはインテル第3世代以降のものなのだそうで,本連載で話題にしているCore 2系CPUはおろか,名機"Sandy Bridge"であるインテル第2世代のCPUも対象外となっていたのでした。しかし6月になるとこれらのマシンに対しても,Windows10をアップグレード予約するための"Get Windows10"アプリがインストールされたのでした。
我が家のマシンではどのような挙動を示したのかというと,
(1)デスクトップXeon X3350機…アプリがインストールされ,アップグレード予約も可能だった。
(2)デスクトップCore2 Quad Q8200機…同上。
(3)デスクトップPentium E6300機…アプリはインストールされ,予約も可能だったが,「このPCでWindows10の準備が完了したという通知が表示されてから,アップグレードを行うことをお勧めします。」という注意書きが表示された。
(4)モバイルCore2 Duo T8300機…アプリはインストールされたが,アイコンをクリックしても予約ができない状態だった。
(5)モバイルCeleron T3000機…アプリがインストールされ,アップグレード予約ができそうな感じだった。
(6)モバイルCore Solo U1400機…すでにWindows10(Insider Preview)がインストールされていたので,アプリはインストールされなかった。
(7)テスクトップPentium4 650機…すでにWindows10(Insider Preview)がインストールされていたので,アプリはインストールされなかった。
(8)携帯電話Atom Z600機…アプリはインストールされたが,「申し訳ございませんが,このPCではWindows10を実行できません。」と表示された。
(9)モバイルAtom N450機…アプリがインストールされ,当初は「互換性レポート」が表示されなかったのだが,その後アップグレード予約ができそうな感になった。
(註)上記のうち,32ビットOS環境は(3)・(6)・(7)・(8)・(9)で,64ビットOS環境は(1)・(2)・(4)・(5)。
という状況でした。後に登場したWindows11程には,「アップグレードできない」という危機感は感じなかったように思います。
Windows10は7月29日(日本時間7月30日)にリリース。Ver.1507と称していましたが,この頃は"Threshold 1"略して"TH!"と言うことの方が多かったように思います。
リリース時点で,(6)機については"Indider Preview"を降りて正式版に移行,(2)機についてはリリース日にすんなりアップグレードできてしまいました((7)機は"Insider Program"をそのまま受け続けることとしたのものの,そのうちに壊れてしまった)。(4)機・(5)機・(8)機は自分のものではないため当面Windows7環境のままとしました。
携帯電話の(7)機について,公開翌々日の8月1日夕方にインストールメディアを作成して強引にインストール,しかしアップグレードには膨大な時間がかかり,しかも翌2日昼には東京出張を控えており,果たして出発に間に合うかと思ったものの,間一髪でなんとかインストールに成功,東京行きに持ち出したのでありました(これも3ヶ月後にはWindowsの起動ができなくなるトラブルに見舞われ,携帯電話としての使用もこの年12月をもって終了する)。
ところがメインで使用していた(1)機はこの時点ではアップグレードされることはなく,「じゃあしばらくアップグレードされることはないか」と油断して,東京出張の折に買い求めたSSDと中古メモリの装着をさぼっていたのが運の尽き,8月中旬のお盆の帰省直前に突然「アップグレード可能」状態となり,アップグレードしたものの,その後の帰省のため,まともにWindows10化した(1)機を触ったのがお盆明けとなってしまったのでした。
帰省からの帰宅後にメモリの増設とSSDの換装を行なったのですが,新しいブラウザの"Edge"(EdgeHTML版)の調子が悪く,LANカードの調子が悪いのかグラフィックスカードの調子が悪いのかいろいろ悩んだ末,結局Windows10をクリーンインストール,それでもグラフィックス周りの調子が悪く,グラフィックスドライバの入れ直しをしてようやく解決したのでした。
(2)機は大きなトラブルはなかったものの,"PIN"による本機へのログインがなぜかできない,というトラブルにずいぶん悩まされたのでした(結局これも半年後にクリーンインストールで解決する)。
特にトラブルがなかったのは(6)機のみ。待望のWindows10だったのですが,全体としては意外とトラブル続きだったなぁ,というような印象がありました。
アップグレードがなかなかできなかった(3)機については,11月の初旬になりようやくアップグレードが認められたのですがアップグレードに失敗。いろいろ調べると,「BIOS設定でUSBレガシーサポートを"Disable"にする」という技を知り,それによりアップグレードすることができました(実はもう一つトラブルを抱えていたが,本機特有の問題(それもしばらくしたらいつの間にか解消した)と思われるため割愛)。
11月の半ばには早くも次の大型アップデートとなる,Ver.1511,別名"Threshold 2"略して"TH2"がリリースされました。(1)機はリリース後4日目にアップデート完了,(2)機はアップデートにあたり特段の記録なし,(6)機も少々待たされたもののアップデートは完了,(3)機はアップグレード時と同じ問題が再び勃発したものの,なんとかアップデートできました。
そして2016年7月末の無償アップグレード終了に向け,2016年の2月から3月にかけ,順次(9)機・(4)機・(5)機をWindows10にアップグレード。(9)機は「BIOS設定でUSBレガシーサポートを"Disable"にする」に加え,アップグレード前のWidnows7をクリーンブートさせなければアップグレードできないことが分かりました。(5)機もWindows7をクリーンブートさせることが必要で,意外とアップグレード時のトラブルがなかったのが(4)機だったのでした。
無償アップグレードといえば,これまでWindowsのアップグレードは必ず有償だったため,職場のパソコンのOSをアップグレードすることはあり得なかったのですが,「無償」アップグレードが効いたのか,今回初めて,職場所有のパソコンもWindows10へのアップグレードが認められることとなり,職場で使用していた第3世代のCore i機を,2016年3月にWidnows10にアップグレードできたのでした(詳述は避けるがこれも結構一筋縄ではいかなかった。ちなみにメーカーでは,本機のWindows10へのアップグレードを保証していないようだった)。
このようにして,我が家のパソコンで可能なものは全てWindows10化したのでありました。これらが全て「無償」で行えたので腹も立たないのですが,もし「有償」でのアップグレードだったとしたら,きっとWindows10には良い印象を持つことはなかっただろうなと,今になってしみじみ思うのであります。
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