さらばCore2,さらばWindows10,さらばWindows11 Ver.23H2…。(9)
本連載もついに9回目となりました。今回は,Windows10の円熟期ともいえるバージョンである,Ver.1703,Ver.1709,Ver.1803の3つを取り扱っていきます。
それでは本編の前に,日本時間8月13日にリリースされたWindows Updateの情報から。
・Windows10 Ver.22H2…KB5063709 ビルドは19045.6216に
・Windows11 Ver.23H2…KB5063875 ビルドは22631.5768に
拙宅の環境では問題なくインストールできたようです。
----------
Windows10 Ver.1703こと"Creators Update",またの名を"Redstone2(RS2)"が正式リリースされたのは2017年4月のことでした。私の記録によると,
・組み立てたばかりのCore i7-6700K搭載自作機…特に問題なく手動アップデートできた。「軽々動作していた」という記述もみられる。
・Xeon X3350に換装したメーカー製マシン…アップデートの度に再起動に失敗する,という病を抱えていたが,いつの間にか解消された。
・Core 2 Quad Q8200搭載自作機…インストール自体は問題がなかったが,複数のLANカードが装着されていると誤認識されていた。
・Core 2 Duo T8300搭載ノート機…特に問題なく手動アップデートできた。
・Celeron T3000搭載ノート機…これも特に問題なく手動アップデートできた。
のように,少々トラブルを抱えた機種も確かにあったのですが,おおむね順調にアップデートインストールができ,インストール後の使用感もそれほど悪くない感じで,ようやくWindows10も完成されたのかな,という印象を持ちました。
この,Ver.1703の世代でリリースされたのが,教育分野向けとされる"Windows10 S"と呼ばれるバージョンでした。この年5月に,この"Windows10 S"と,それを搭載したマイクロソフト製PC"Surface Laptop"でした。
"Windows10 S"とは,極論するとデスクトップアプリをインストールできないWindows10であり,基本的にはストアアプリしか使えないWindows,ということになります。もっともベースは普通のWindows10 Proであり,マイクロソフトストアで有償で手続きをすれば通常のWindows10 Proにアップグレードすることも可能でした。
しかし「ストアアプリしか使えないWindows」がリリースされたということは,全てのWindowsで,今後いろいろなソフトがマイクロソフトストアからしかインストールできないストアアプリしかなくなる,というようにすることも考えられたので,そうなってしまうと使い勝手が悪くなってしまうのではないかという不安を,この頃からWindowsに抱くようになってしまいました。そういえばこの時点では親指シフト環境の場合,ストアアプリでは入力できない" Japanist2003"しか存在していなかったので,余計不安を感じていたものでした。
そしてこの頃から,Windows10の大型アップデートは半年に1回行われることになり,次のバージョンであるVer.1709こと"Fall Creators Update",またの名を"Redstone3(RS3)"は,2017年10月にリリースされました。
早速アップデートしようと,Core i7-6700K搭載自作機に手動インストールを試みたところ,インストールしていたウイルス対策ソフトがVer.1709に非対応だったため,インストールに失敗,一旦このウイルス対策ソフトをアンインストールしてVer.1709にアップデートしたのでした。翌日このウイルス対策ソフトの修正モジュールがリリースされたのですが,ソフト本体の対策がとられていないため,今度はそのウイルス対策ソフトがインストールできない,という,「缶詰の中に缶切りがある」ような状態に陥ったのでした。
結局,Windows10を一旦Ver.1703に巻き戻し,ウイルス対策ソフトをインストール,次いでその修正モジュールを適用して,ようやくVer.1709へアップデート,という面倒な手順をとらざるを得なかったのでした。そしてこのトラブルが,拙ブログにて大型アップデートの度にだらだら更新を行なっている「Ver.****アップデート情報」記事の誕生につながったのでした。
先代のVer.1703が比較的快適に使えていたので,その他のマシンにはできるだけ手動アップデートを行わず,Windows Updateによる自然なアップデートを目指しました。
・Core 2 Quad Q8200搭載自作機…10月にWindows Updateをかけたところ,すぐにVer.1709へのアップデートを進められ,そのままアップデートを行った。特に問題は起きなかった。
・Core 2 Duo T8300搭載ノート機…翌11月のWindows Updateで「機能更新プログラム」が表示され,そこでアップデートを行った。特に問題は起きなかった。
・Celeron T3000搭載ノート機…上記マシン同様,翌11月のWindows Updateで「機能更新プログラム」が表示され,そこでアップデートを行ったのだが,非常に時間がかかったため,一旦作業を打ち切ってシャットダウン。翌日改めてWindows Updateをかけたところ作業の続きが始まり,無事にVer.1709へのアップデートが完了した。その後特に問題は起きなかった。
しかし,
・Xeon X3350に換装したメーカー製マシン…10月にWindows Updateをかけたところ,「機能更新プログラム」が表示されたので,アップデートを行ったのだが,なんと途中で失敗。数週間放置したが結局11月に手動インストールを行い,その後問題は起きなかった。
という機種もあったのでした。
Ver.1709には"Fluent Design System"が導入されたということなのですが今ひとつ印象に残っていません。高価な専用ゴーグルが必要な"Windows Mixed Reality"への対応や,従来の「ペイント」アプリを非推奨とし,Ver.1703にすでに搭載されていた「ペイント3D」を推奨する動き等もありました。しかし"Windows MR"や「ペイント3D」の末路がどうなったのかは,すでに皆さんもご承知のことでしょう。
それらに続く新バージョンのVer.1803の愛称は単に"April 2018 Update"と称され,別名は"Redstone4(RS4)"となり,2018年4月末(そのため日本でのリリースは5月1日となった)にリリースされました。
本バージョンについてはアップデート時の挙動が他のバージョンと比べて結構独特,というか,Widnows Updateでの公開直後にすぐアップデートの通知があり,そして大きなトラブルもなくあっさりアップデートできてしまった,というのが印象的でした。Windows10もいよいよ完成したのかな,と思ったものでした。
もっとも,ストレージが32GBしかないAtom x7-Z8700機でのアップデートはやはり難渋しました。「ディスクのクリーンアップ」で空き容量を増やし,容量が大きめのUSBメモリで作ったインストールUSB(そうするとテンポラリ領域がUSBメモリ側に作られる)を使って,長い時間かけてアップデートするとなんとかアップデートできました(本当は仮想ハードディスクのファイルが入ったSDカードを挿入しているとアップデートできない,という問題もあったのだが,本題から離れるので割愛)。
そのような中ですが,この頃はやはり,無理やりWindows10をインストールしたAtom N450機とCore Solo U1400機の処理の遅さに参っているようでした。Atom N450機についてはVer.1703,Ver.1709,Ver.1803のどれをとってもアップデートに時間がかかり,アップデート後の動作もかなり遅かったようです。この時点まではWindows10は32ビット版をインストールしていたのですが,後述するCore Solo機での問題もあり,この年8月に64ビット版をクリーンインストールしました。すると,絶対的にはやはり遅いものの,64ビット版の方がほんの少し軽く動作しているのかな,という印象を受けました。
Atom x7機を導入したため予備機となったCore Solo機はWindows10のInsider PreviewのSlowリング(今でいうBetaチャネル)を受けることにしたのですが,やはりアップデートの処理時間がかなりかかるので,数ヶ月に1回程度アップデートする,ということにしていました。2018年の7月,次回紹介するVer.1809版に向けてのビルドが公開されたのですが,これがダウンロードできてもインストールできない,というトラブルに見舞われたのでした。よくよく調べると,この時点ではisoファイルがダウンロードできるサイトに,64ビット版はアップされていても,なんと32ビット版がアップされていない,ということが分かったのでした。
もう32ビットCPUで最新のWindowsを動かすことはできないのか。そう思ったので,前述のAtom N450機の64ビット化を急いだのでした。結局その心配はこの時点では全くの杞憂だったのですが,皆様ご存知の通り,その3年後にはこの杞憂が現実のものとなってしまうのでした…。
| 固定リンク
「うぃんねた」カテゴリの記事
- さらばCore2,さらばWindows10,さらばWindows11 Ver.23H2…。(12)(2025.11.13)
- さらばCore2,さらばWindows10,さらばWindows11 Ver.23H2…。(11)(2025.10.15)
- さらばCore2,さらばWindows10,さらばWindows11 Ver.23H2…。(10)(2025.09.10)
- Windows11の標準機能で,QRコード,読めるみたいですけど…。(2025.09.07)
- さらばCore2,さらばWindows10,さらばWindows11 Ver.23H2…。(9)(2025.08.13)



コメント