« Windows11の標準機能で,QRコード,読めるみたいですけど…。 | トップページ | さらばCore2,さらばWindows10,さらばWindows11 Ver.23H2…。(11) »

2025年9月10日 (水)

さらばCore2,さらばWindows10,さらばWindows11 Ver.23H2…。(10)

 10回目を迎えた本連載。そしてLTSB(2016のみ)/LTSCを除くESU未適用のWindows10のWindows Updateも,今回分を適用すればいよいよ残り後1回となってしまいました。今回は,私の中ではWindows10の「変調」が始まったバージョンだと思っている,Ver.1809,Ver.1903,Ver.1909の3つを取り扱っていきます。

 それでは本編の前に,日本時間9月10日にリリースされたWindows Updateの情報から。

・Windows10 Ver.22H2…KB5065429 ビルドは19045.6332に
・Windows11 Ver.23H2…KB5065431 ビルドは22631.5909に
 拙宅の環境では問題なくインストールできたようです。

-----
 前回にも記述した通り,Ver.1809に関係するInsider Previewに,64ビット版はリリースされたものの32ビット版がなかなかリリースされない,ということが起こりました。このようなことから,Windows10の次期ビルドは手を相当加えたものになるのだろうな,という予想はありました。
 2018年10月始めにリリースされたのが,愛称"October 2018 Update",別名"Redstone5(RS5)"とされたVer.1809でした。機能が強化され(たそうなのだが,リリース当時のweb記事を読み直してもピンとくるものがなかったので,今の時点から振り返れば結構どうでもいい内容だったのかも知れない),Insider Programで"Release Preview Ring(Ringは後に「チャネル」という言葉に置き換わる)"を飛ばしていきなりRTMが公開されたので,マイクロソフトが安定性に自信をもって公開したのではないか,とも当初は言われていたようです。ところがそれはとんでもない誤りだったのです。

 共用のパソコンコーナーに置いていたCore2 Quad Q8200を搭載した自作機は,子供2人が大学進学で家を出てしまったため,電源が入ることが少なくなってしまいました。そこで,これまでCore Solo U1400搭載サブノートで受けていたInsider Programをこの自作機で,それも"Fast Ring(後のDevチャネル)"を受けるようにしました。9月にはVer.1809の製品候補版にあたるビルドも落ちてきました。この段階では,特に問題は感じなかったようです。
 そしてVer.1809の正式版がリリースされてから,まずCore i7-6700K搭載自作機にWindows Update経由でアップデート。次いで嫁用のCore2 Duo T8300搭載ノート機にも同様にWindows Update経由でアップデートし,この時点では特に問題は発生しませんでした。
 ただ,USB親指シフトキーボードをつないでいた自作機で,なぜか「親指右」「親指左」キーが機能していないことに後で気がつきました。ドライバの再インストールも行ったが復旧せず,「ひょっとすると英語キーボードと誤認しているかも知れない」と思ったので,「ハードウェアキーボードレイアウトの変更」で「日本語キーボード」を選択し直した,という記録が残っています。よくよく考えると,インストール直後に,ブラウザの(旧)Edgeが突然立ち上がり,英文のウェルカムメッセージがいきなり表示されて慌てたことがありました。それと関係があったのでしょうか…。

 ところがその数日後,同様にアップデートした他のユーザから,「C:/Users/[username]/Documentsのフォルダ」に保存したデータがごっそり無くなった,という訴えがあり,結局Ver.1809の公開はわずか数日で一時中断,ということになってしまったのでした。拙環境では幸いにも,上記の2機種については,いずれもDドライブを作ってそこにユーザデータを保管するようにしていたので,難を逃れたというわけです。一方,Ver.1809の公開は一時停止してしまったので,これ以外のマシンでのアップデートが不可能になってしまいました。

 再度公開されたのは11月半ばのこと。新たにこの11月をリリース開始日としたので,Ver.1809のサポート終期も1ヶ月遅らせることになったのでした。しかし,一転してマイクロソフトは,この新しいバージョンの公開に非常に慎重になってしまい,Windows UpdateによるCeleron T3000搭載ノートと,Xeon X3350に換装したメーカー製デスクトップパソコンには,結局12月の定例Windows Updateで無事アップデートができたのでした。アップデート終了後の挙動で,外国メーカー製のCeleron機は上記自作機同様,(旧)Edgeで英文のウェルカムメッセージが表示されたので,前述の自作機での経験を思い出し,そのEdgeの画面で言語の設定を「日本語」に切り替えたところ,キーボードレイアウトが変更されるようなことは起きませんでした(ついでに内蔵有線LANの不具合も解消されていた)。ところがXeon換装デスクトップ機が国内メーカー製のものだったからか,(旧)Edgeのウェルカムメッセージは最初から日本語でした。
 Atom N450搭載ネットブックはWindows Updateによるアップデートに失敗し,USBメモリ経由でのアップデートを行い,メインストレージが32GBしかないAtom x7-Z8700搭載ミニノート機もUSBメモリでアップデートを行いました。

 しかし,それまで順調に動いていたはずの嫁用ノートが,定例外のKB4469342修正ファイルを適用したところ,"KMODE EXCEPTION NOT HANDLED"というエラーメッセージのブルースクリーンが表示され,セーフモードでしか起動できないというトラブルに見舞われてしまったのでした。管理者として開いたコマンドプロンプトで"sfc /scannow"コマンドを実行すると一時的に復旧するのですが,12月の定例Windows Updateを適用すると全く同じ状況に逆戻りする状況になってしまったのでした。結局,「設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」→「このPCを初期状態に戻す」→「個人用ファイルを保持する」という手順により完治したのですが,データが残る以外はクリーンインストールと同等であり,アプリの再インストールを余儀なくされてしまったのでした。

 もう1台,32ビットCPUであるCore Solo U1400搭載機ですが,実は年内にはVer.1809にアップデートすることができず,翌年3月,そして5月の定例Windows UpdateでVer.1809へのアップデートについてのメッセージが表示されたのですが,そこから作業を行ってもアップデートに失敗,さらに USBメモリを使ったアップデートも試みたのですがこれまた失敗という結果となり,本機はもうWindows10の大型アップデートはできないのではないかと思ったものでした。というわけで,Ver.1809にはあまりいい印象はありません。

 続くVer.1903こと"May 2019 Update"。ここでいろいろな「しきたり」が変わることになり,"Threshold"とか"Redstone"というコードネームの命名法が廃止となり,変わって元素名をコードネームにすることにし(本バージョンでは"Titanium"。以下のバージョンの紹介は省略します),最近の大学でよく使う前期後期を表す「セメスター」という区分を導入してそれを"19H1"と称することとしたようです。2019年3月には,Indider ProgramのFastリングを受けていたCore2 Quadの自作機にも製品候補版と思われるものがインストールされました。
 公開は2019年5月下旬。日本ではここで元号が「平成」から「令和」に代わり,そのための修正も加わっています(WordやExcelでは独自の修正も加えたため,OSとアプリの両方が「令和」対応しないと「令和(または"R")」と表示されないという面倒なことも起きた)。

 今回のアップデートの目玉は,システムドライブの容量が貧弱な機種に対し,「予約済みストレージ」を事前に作るようにし,大型アップデートがスムーズに行えるようにする,という新基軸を投入したのだといいます。拙環境でも所有していた,Atom x7-Z8700機にはもってこいの機能だったのですが,その「平成」から「令和」に代替わりする4月末〜5月初めの10連休というかつてない長期休暇の時期にVer.1903が正式公開されることはなく,やむなくInsider Programを利用してクリーンインストールを実施したのでした(その具体的な方法は本稿の趣旨と外れるので割愛)。ただその成果は次(正確には次の次)の大型アップデートを待たないと分からないのが難だったのですが。

 Ver.1809の轍を踏まないよう実際のアップデートはかなり慎重を期して行われたのか,Windows Update経由によるアップデートは6月以降にずれ込みました。ただ,なんとかトラブルなく行えたのはXeon X3350に換装したメーカー製デスクトップ機のみで,これもスリープがかかりながらのアップデートになってしまったようです。それ以外は結構トラブルが多いアップデートとなり,具体的には,

・Core2 Duo T8300ノート機では,6月のWindows UpdateでまずVer.1809に関わるアップデートがかかり,再起動後のWindows UpdateでVer.1903へのアップデートが案内され,アップデートを実行したものの,終了後の再起動でブルースクリーンが表示されてしまった。何回かの再挑戦でようやくVer.1903へのアップデートができたのだが,前回Ver.1809からの「ブルースクリーン」トラブルが継続している感じだった。
・Atom N450ネットブックは6月のWindows Update経由でアップデートできたものの,ダウンロードとインストールに相当な時間がかかった,という記録が残っている。
・Celeron T3000ノート機は6月中にアップデートできず,結局7月のWindows Updateの時にアップデートできた。
・Core i7-6700K自作機は6月中にUSBメモリを使って強制アップデートしようとしたのだが,そのようにすると「ドライブレターが変わってしまう」というバグのため,途中でインストールが止まってしまい,「Windows10のダウンロード」サイトで「今すぐアップデート」をクリックすることにより直接アップデートを行った。
・Ver.1803のままだったCore Solo U1400機ではようやく8月にVer.1903へのアップデートが可能になったのだが,Windows Update経由のアップデートに失敗。USBレガシーサポートをオフにし,クリーンブートさせた状態で Windows Updateをかけると,そこでようやくアップデートが成功した。

という状況でした。ただインストール後の動作については,特にトラブルはなかったように思います。

 その次のアップデートである,Ver.1909ことセメスター"19H2"の"November 2019 Update"。ここで初めて,大型アップデートでありながら短時間でアップデートが行える,という仕組みを採用しました。
 Ver.1909と前版のVer.1903はベースが同じになっており,Ver.1909の正式公開に向けて,Windows UpdateでVer.1909の機能を無効状態のまま予めインストールしておき,Ver.1909が公開された時に「有効化パッケージ」をダウンロードして速やかにVer.1909化できる,という触れ込みでした。これら2バージョンのビルド番号は,毎月のWindows Updateを適用しても後ろ4桁の数字が変わらない,という特徴もありました。

 そのためInsider PreviewのFastリングでは2019年4月の段階で,Ver.1909ではなく後のVer.2004に向けてのビルドが公開されており,Core2 Quad Q8200の自作機ではVer.1909関連のビルドを受けることはありませんでした。
 Xeon X3350に換装したメーカー製デスクトップでもInsider PreviewのSlowリングを受けることにしたため,2019年の7月にはすでに関連ビルドがインストールされていました。やはりインストールにかかる時間はかなり短かった,と記録しています。

 11月に正式版がリリースされた時には,
・Core i7-6700K搭載自作機
・Celeron T3000搭載ノート
・ストレージの少ないAtom x7-Z8700搭載ミニノート
・Ver.1903へのアップデートに難渋したCore Solo U1400搭載サブノート
では問題なくVer.1909へのアップデートができたとあります。
 Atom N450搭載ネットブックでもインストール自体は正常に行えたのですが,事前に行ったVer.1903関連のアップデートに相当な時間がかかり(ここでVer.1909関連のアップデートファイルが多数ダウンロードされたものと思われる),なんと半日がかりだったという記録があります。
 大型アップデート時のブルースクリーンに悩まされているCore2 Duo T8300搭載嫁用ノートも,Windows UpdateをかけるとまずVer.1903関連の修正がかかり,その直後にまたブルースクリーンが表示されてしまったのでした。その後のVer.1909へのアップデートは問題なく行えたのですが,悩ましい状態はまだまだ続く感じがしました。

 ところでWindows10のVer.1809からVer.1909までリリースされていた期間は,異動したばかりの職場が「西日本豪雨」に見舞われたこともあり,私の職場環境が苛烈な状態になってしまっていて,実はあまりよい心理状態で過ごしていない時期でもありました(その後現在まで待遇が向上しないままなのもこの期間の評価が低かったことが原因かと思われる)。なので余計,これらWindows10の3バージョンにあまり良い印象をもっていないのだろうと思います。
 この頃職場ではインテル第3世代CPUを搭載したノートパソコンを使っていました。同じパソコンを使っている人は多かったように思います。元はおそらく32ビット版のWindows7がインストールされていたのでしょうが,私が異動した時には全て32ビット版のWindows10にアップグレードされていました。32ビット版,ということなので,私のマシンには内緒でメモリを4GBまで増設していました(それ以上の増設は無意味だった)。ただハードディスクのSSD化までは施していませんでした。
 毎日上司に厳しく叱責され(そうです今から思えばこれはパワハラです),泣きそうになりながらこのパソコンを使っていたのですが,しかし「パソコンが遅くて仕方がない」,というところまでは当時思わなかった(しかし異動前の職場で使っていたインテル第2世代CPU搭載ノートよりは遅いと感じていた)ような気がします。ところがこの頃,メモリを増設せず2GBのまま使っている同僚からは,Windows10の大型アップデートの度に「パソコンが遅くなった」という愚痴を聞かされることが多くなったような気がします。
 今から思えばまだささやかなレベルだったのでしょうが,「Windowsの重量化」がこの頃から始まっていたのではないか,という気がして仕方がありません。

|

« Windows11の標準機能で,QRコード,読めるみたいですけど…。 | トップページ | さらばCore2,さらばWindows10,さらばWindows11 Ver.23H2…。(11) »

うぃんねた」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« Windows11の標準機能で,QRコード,読めるみたいですけど…。 | トップページ | さらばCore2,さらばWindows10,さらばWindows11 Ver.23H2…。(11) »