さらばCore2,さらばWindows10,さらばWindows11 Ver.23H2…。(12)
昨年12月からお届けしていた本連載もいよいよ最終回となりました。ESU契約済みのものを除いたWindows10は先月10月にサポート終了,そして動作要件対象外ながらCore2のもとでも動作していたWindows11 Ver.23H2のサポートもとうとう終了ということになり,ここに名CPUであるインテルCore2の命脈は絶たれることとあいなったのでした。
今回はそのCore2でも動作させることができたWindows11のVer.21H2,22H2,23H2について取り上げることにします。
その前に日本時間昨日公開のWindows Updateの状況について。Windows11 Ver.23H2の最終アップデートはKB5068865,ビルド番号は22631.6199でした。
ESU未適用のWindows10 Ver.22H2については当然アップデートは降りてこないのですが,ESU適用済みのものについてはKB5068781,ビルド番号19045.6575が降りてきました。拙環境ではとくに問題なくこれらのアップデートが適用できたようです。
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現行OSであるWindows11について,今更詳細なことをここで書いてもしょうがありますまい,というか,書けば書くほどこちらが腹をたてかねないので,Core2 CPUの立場からみたWindows11,というまとめ方をしてみようと思います。
Windows11の開発が公表された2021年6月の時点で,CPUの動作要件としてインテルの第8世代Core i CPUを要求していたのですが,前回書いた通り,Core2 Quad Q8200機で Windows11のビルド22000.51がインストールされてしまったのでした。つまりこの時点では,Windows11は32ビットCPUを確かに締め出したものの,何らかの方法でWindows11をインストールできる64ビットCPUの条件はおそらくWindows8.1の頃と同じく,"PrefetchW"や"LAHF/SAHF"に対応できていること,と思われました。
一時本機ではWindows11 Insider Previewの利用を中止していたのですが,2021年10月の正式リリース(Ver.21H1)の際には,「CPUやTPM,セキュアブートの制限を外してWindows11化できる」という情報が相当流れており,本機でももう一度Windows11へのアップグレードを,"MediaCreationTool"というツールを使って試みたところ,特に問題なく適用できてしまったのでした。その後のWindows Updateも問題なく適用することができ,Windows10の時と比べて特に動作が遅くなったようなこともなく,このままWindows11で使い続けられるのかな,と思ったものでした。
翌2022年1月,電源供給用のUSBマイクロ端子が不調でいつ捨ててもよいと思っていたAtom x7-Z8700機をWindows11化してやろうと思い,こまごまと苦労はした(本題ではないので割愛)のですが非対応CPU,メモリ2GBしかないのにも関わらずアップグレードは成功し(ちなみにTPMは2.0対応),動作自体は特に問題がなく,必要以上に高くしたWindows11の動作要件を大変疑問に思ったものでした。
その年7月,別用途で使用するSSDを利用して,我が家に残るCore2以下のCPUを搭載したWindows10機に,ディスククローンの後,"Rufus"を使ってWindows11をアップグレードインストールする実験を行いました。その結果ですが,Xeon X3350機,Core2 Duo P8800機,Core2 Duo T8300機では,特に問題がなくアップグレードできる模様でした。
シングルコアだが2スレッド対応で,メモリも2GBしかないAtom N450機にも試してみて,アップグレード自体は完走することができたのですが,Windows10でもまともに動いていない本機,Windows11では起動中,それまで聞いたこともないような大きな音で冷却用のファンが回りだし,実際に起動してもまともに使えるような状態ではなく,やはりWindows11はかなり重量化しており,Core2はともかく古いAtomではまともに動作できるような代物ではない,ということがなんとなく分かりました。
初の大型アップデートとなったWindows11のVer.22H2は2022年の9月にリリースされました。現にWindows11のVer.21H2をインストールしているCore2 Quad Q8200機でアップデートを試みたのですが,Windows Updateの画面ではそのような案内は表示されず,マイクロソフトが提供しているVer.22H2のダウンロードファイルを使ってインストールUSBを作り,アップデートを試みたのですがあえなく失敗。ここでマイクロソフトの言う「動作要件外のマシンにWindows11をインストールすると,今後のアップデートは保証できない」という警告がいよいよ実行段階に移ったのかと,かなりあせったものでした。
念のため別のドライブを利用してWindows11 Ver.22H2のクリーンインストールを行ったところ,時間はかかったもののとりあえずインストールには成功したので,何らかの方法はある,と思っていたのですが,本機について,最初のWindows11化で"MediaCreationTool"というツールを使っていたことを思い出しそのツールを使うことにし,さらにBIOSで「USBレガシーサポート」をオフにしたところ,ようやくVer.22H2化することができたのでした。
Ver.22H2での特徴は,"Moment"と称した,短いタイミングで新機能の追加を行う取り組みを行ったことにあるでしょうか。リリース翌月の10月には"Moment 1"が,翌年2月末には"Moment 2"が,そして5月には"Moment 3"が公開されました。
ところがその"Moment 3"を導入したあたりから,このCore2 Quad Q8200機の画面表示がおかしくなったのでした。具体的には,ストアアプリを更新しようと,「マイクロソフトストア」のアプリを起動させると,グラフィックスドライバが急停止してしまい,マイクロソフトの標準グラフィックスドライバに置き換わってしまう,という症状が起き始めたのでした。本機はPCI-Eスロットにグラフィックスカードではない別のカードを装着しているため,グラフィックスはチップセット内蔵の「インテルGMA3100」を使っていました。
その後,ストアアプリの「マイクロソフト・ソリティア」を起動すると,カードの背景がモザイク状に表示されるようになってしまい,まともにゲームができないという症状が発生しました。さらに,"Moment 4"がその年9月に公開され,この時「エクスプローラ」のデザインが新しくなったのですが,本機ではそのエクスプローラの画面上部が灰色で表示され,ボタン等が全く表示されない状態になってしまったのでした。「スタート」→「Windowsツール」を呼び出すと,古いエクスプローラが動作するので,それを使えば問題がない,ということなのですが,なんだか将来に向けて不安が募る状況となりました。
そこでまず,グラフィックスカードを装着しているXeon X3350機にWindows11 Ver.22H2のアップデートを試みたところ,こちらでは新しいエクスプローラの動作に特に問題はありませんでした。次いでCore2 Duo P8800機とCore2 Duo T9300機の,内蔵グラフィックスを搭載したノートパソコンをWindows11 Ver.22H2化する実験を行ったところ,こちらも新しいエクスプローラの動作に問題はありませんでした。
続くWindows11 Ver.23H2は2023年10月,Ver.22H2からなら「有効化パッケージ」による簡便なアップデートが可能,という触れ込みでリリースされました。これら動作要件対象外4機種へのアップデートは通常の方法ではできなかったのですが,"*Moment4-EKB*.mum"という条件にあてはまるファイルを検索して,次々"DISM"を使って適用させることにより,簡単にVer.23H2化させることができました。
しかしその後12月のWindows Updateで,Core2 Quad Q8200機でマイクロソフトストアのアプリをアップデートさせるために起動させると,画面が真っ暗になり一切の操作を受け付けなくなる事態に陥ったのでした。何回か再起動させるとマイクロソフト標準のディスプレイドライバが自動インストールされ,その状態でマイクロソフトストアのアプリをアップデートさせることはできたのですが,こんなことを毎月やらされてはかなわない,ということになり,本機はWindows10に戻されることとなったのでした。しかし,残りの3機については,この問題が発生することはなかったのでした。
グラフィックスカードを装着したXeon X3350機はともかく,Core2 Duo P8800機のグラフィックスはインテルGMA4500MHD,Core2 Duo T9300機のグラフィックスはインテルGMA X3100でした。一方,Core2 Quad Q8200機のグラフィックスはインテルGMA3100。どうやらインテルのグラフィックスで,非常によく似た名称を持つ,GMA3100とGMA X3100の間にはWindows11 Ver.23H2を動かすのにあたり,非常に大きな境目があるのだろうと思ったものでした。Windows11の「足切り」はCPUだけではなく,GPUでも行われた,ということが言えるのかと思います。
そして世はAI時代に入り,ChatGPTをはじめとして多数のAIサービスが世にはびこるようになりました。マイクロソフトも"Copilot"というAIサービスを開始,次いでWindows11にも"Copilot +"という機能を導入して,高速なNPUを持つマシンで,ローカルでAI機能が使えるようにする,という発表があったのでした。一方で,Windows11の次期バージョンである"Ver.24H2"から,"popcnt"という命令に対応しない古いCPUでは,どのような手順を施してもWindows11はインストールできないようにしてしまったのでした。
そして今,そのWindows11 Ver.23H2のサポートは,Enterprise/Educationを除き終了してしまったのでした。企業や教育機関向けバージョンであるWindows11のEnterprise/Educationを使っているCore2ユーザは,はっきり言って皆無でしょうから,ESUを導入したWindows10を使っていない限り,Core2マシンの命脈はここに絶たれた,ということになりました。
我が家でも,Xeon X3350機は2025年2月に処分,Core2 Duo P8800機はさらに次のWindows Updateが行われる日本時間12月10日までにネットワークから隔離,残るCore2 Quad Q8200機(実際にはここでCPUを差し替えてこちらがXeon X3350機になっている)とCore2 Duo T9300機はESUを導入したWindows10にバージョンダウンして,あと11ヶ月ネットワークに接続した状態で維持することにしています。
2006年7月末に登場したCore2系のCPUは,ESUを導入したWindows10がインストールされていれば,実に2026年10月13日までの20年を超える長い間,生き延びることができたというわけです(ビジネス用のESUを適用すればさらに2年使い倒すことができる。が,現時点でCore 2マシンをビジネスで使っているところは,皆無でしょう)。ここまで長い間現役で使うことができたパソコンシステムはこれまでなかったと思いますし,Core2を凌いでより長く使えるパソコンシステムが登場することは,もう二度とないでしょう。
そして長期にわたる連載もこれにて終了といたします。ご愛読(された方はごく少ないかと思いますが)まことにありがとうございました。
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