2022年5月15日 (日)

オンキヨー破産。ということは,「パイオニア」もなくなった!?

 拙webページでもやばそうだとはしばらく前から書いていた(最新の状況に合わせて直さないと…)のですが,オーディオメーカーのオンキヨーがとうとう破産してしまいました。
 上記webページにも書いている通り,拙宅ではオンキヨーのパソコンとUSBオーディオがあるのですが,実際のところ,すでに多くのオーディオメーカーがなくなっているということもあり,「オンキヨー破産」自体にはあまり感慨はありません。

 ところが,オンキヨーが破産した,ということは,あのブランドもなくなってしまった,ということなのでしょうか。

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2021年4月18日 (日)

A&D GX-Z5000(5)・こういう「真面目」な製品がなくなってしまった21世紀を憂う。

 GX-Z5000の話も今日が最終回となります。いよいよ使い方と音質についてです。

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2021年4月 4日 (日)

A&D GX-Z5000(4)・ダイレクトドライブキャプスタンによる高精度なテープトランスポート機能。

 GX-Z5000の4回目はデッキの右側にある各種操作ボタンの紹介です。本機はテープ操作のキーが全て右側に,ゆったりと配置されているので,左手でテープローディング,右手で機器の操作と非常に使い勝手がよい印象がありました。

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「右手系」といえばビクターのカセットデッキが元祖なのですが,確かにテープトランスポート部の下側にガチャメカボタンを配置しなければならなかった(実家のKD-A150なんかがそう)時代には説得力がありましたが,ロジックコントロールが導入されテープ操作のキーをどこに配置してもよいようになると,結局ビクターのデッキも,右側に配置したテープトランスポート部のさらに右側にテープ操作のキーを配置しなければならなくなってしまい,かえってごちゃごちゃした印象があったものでした。

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2021年3月27日 (土)

A&D GX-Z5000(3)・鬼門はオートテープセレクターにあった。

 GX-Z5000の3回目はデッキ中央部の紹介から,それにまつわる機能のことを紹介していきます。まずは本機のディスプレイの下部にある各種つまみ類を見ていきましょう。

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2021年3月21日 (日)

A&D GX-Z5000(2)・ツインフィールドスーパーGXヘッドはアカイの良心だ。

 GX-Z5000の2回目です。いよいよテープトランスポート部を見ていきます。
 本機は2ヘッド・シングルキャプスタン機です。そこだけ切り取ると,なぜか再びテープオーディオがブームとなっている今の人たちですら,「なぁんだ…」と言われそうな気がするのですが,そこが素人の赤坂見附。

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2021年3月14日 (日)

A&D GX-Z5000(1)・こんなに安くてオートローディング機能搭載。

 もうすでに過去ログに収容しておりますが,以前はパイオニアの"CT-770"というカセットデッキを使っていたことを,拙ブログに書いておりました。
 その連載の第4回目で,

| そしてこのCT-770も元号が平成に変わってすぐの大学4年の終わりに,うんともすんとも動かないようになり,もう7年半使ったからと処分することにしたのでした。就職(それも正採用ではなかった)する直前だったのであまりお金もかけられず,大学の先輩(私より卒業が遅かった)に相談してこれが安くてよいと勧められたA&Dの2ヘッド機,GX-Z5000を購入したのでした(これも気が向いたら後述)。

と書き残しておりました。

 それから早8年を迎えようとしております。8年経って,ようやく気が向きました。GX-Z5000のことについて書いておこうと思います。

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2018年2月11日 (日)

中島平太郎さん亡くなる

 最近知ったのですが,「CDの父」と言われる中島平太郎さんが,昨年12月に亡くなられていたのだそうです。享年96歳。

 東京工業大学を卒業した後,九州大学大学院(特別研究生)を経てNHKに入局。中島さんの著書,講談社ブルーバックスの「オーディオ小辞典」で知ったのですが,そこでデジタル録音機を開発します。「(放送用)ビデオレコーダーなら音声をデジタル記録するに足る帯域が確保できているので,音声をデジタル記録する回路を付加すればデジタル録音機が作れるだろう」というところからスタートしたところ,なかなか簡単にはいかなかった,ということだったのだそうです。
 昭和46年にソニーに入り,ビデオデッキ「ベータマックス」に接続して使えるPCM録音機「PCM-1」を開発,さらに光ディスクに長けたオランダのフィリップスと,音声のデジタル記録のノウハウを持つソニーが昭和54年に共同開発を開始し,昭和57年に発売されたのが,「コンパクトディスク」とそのプレーヤーだったのです。

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2014年2月23日 (日)

パイオニアCT-780(4)・本当はヘッドの話。だけどどうしてもイジェクトが…。

 パイオニア・CT-780の4回目。今回はカセットドアを開けてみてヘッドまわりを見てみます。
 そのカセットドアなのですが,何回もご紹介の通り,安いラジカセのように固い操作感のイジェクトボタンを押すと「バタンッ」とドアが開きます。
 今,数年前に購入したソニーのラジカセのイジェクトボタンで試してみたのですが,いやいや昨今の安いラジカセでもこんなに「バタンッ」とは開きません。バネでダンプを利かせているのか,少々ゆっくり開いてくれます。CT-780はそのレベルにすら達していません。問題なのは,このイジェクト操作感は,上級機のCT-980でも同じということです。
 当時カセットデッキで一般的だったのはエアダンプ,もしくはオイルダンプにより,イジェクトボタンを押すとじわ~っとドアが開くタイプのもので,これがCT-970/770になるとモータードライブのパワーイジェクトとなり,イジェクトキーをぽん,と押すとモーターの音がしてイジェクトされるようになり,A&DのGX-Z5000になると,モーターの音が静かになり,しかもパワーローディングまでされるようになったのです。
 今回は,あくまでもこの手動で機械的なイジェクトを楽しんでみたかったので個人的には満足しているのですが,これが30年少し前,なけなしの金をはたいてCT-780を購入し,ラックにセットして,さぁ聞いてみるぞとイジェクトボタンを押したときに,「バタンッ」とドアが開くとき,ユーザーは一体どんな気分になっただろうかと,考えずにはいられません。30年前なら,私は「CT-770の方がよかった」と思うかも知れません。

 それはともかく,ドアの内部を見てみます。

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 回転式の録音・再生ヘッドはリボンセンダストとなっています。2ヘッドタイプのリボンセンダストヘッドはこれが初めてで,CT-580にも搭載されています。なおCT-480のヘッドはハードパーマロイでした。リバース機のためキャプスタンが2本装備されており,そのため消去ヘッドは3ヘッド機に装着されているものと同じ,小窓用の特殊合金ヘッドが採用されており,CT-780は録再リバース機のため2つ装着されています。

 初の録再タイプのリボンセンダストヘッドですが,カタログによると周波数特性は,全て低域が30Hzから,高域はそれぞれ,

・ノーマルテープ    -20dB録音 16,000Hz  0dB録音  9,000Hz
・ハイポジションテープ -20dB録音 17,000Hz  0dB録音 10,000Hz
・メタルテープ     -20dB録音 17,500Hz  0dB録音 15,000Hz

までとなっていました。これが3ヘッド機のCT-980/880なら,低域は25Hzから,高域はそれぞれ,

・ノーマルテープ    -20dB録音 17,000Hz  0dB録音 10,000Hz
・ハイポジションテープ -20dB録音 19,000Hz  0dB録音 11,000Hz
・メタルテープ     -20dB録音 20,000Hz  0dB録音 16,000Hz

とより広がっていました。ただ,同じヘッドを使っているはずのCT-970の,メタルテープ-20dB録音時の周波数特性が20~22,000Hz(CT-770は20~21,000Hz)であり,これは回路に何か変更があった,というよりはパイオニア社内の測定方法に何か変更があったのでしょうかね。

 実際に再生音を聞いてみた限りは,CT-770/970と同じ傾向の音で,もともとリボンセンダストヘッドの再生音に慣れていた私には安心して聞ける音,という印象があります。ただ,同じテープをCT-970と変えながら聞いてみると,高域の伸びがCT-780では少々足りないかなぁという印象がありました。
 あとはCT-780のほうが少々出力レベルが小さいかなぁ,という印象もあるのですが,なにしろ30年前に作られた機械のこともあり,経年変化の影響もあるのかも知れません。もちろんふだんテープをかけて聴く分には特に問題はないので,CT-970の寿命を少しでも伸ばすために,テープを聞きたいときはCT-780を使うようにしています。

 なおハードパーマロイヘッドのCT-480だと,周波数特性は低域は30Hzから,高域はそれぞれ,

・ノーマルテープ    -20dB録音 15,000Hz  0dB録音  8,000Hz
・ハイポジションテープ -20dB録音 16,000Hz  0dB録音  8,000Hz
・メタルテープ     -20dB録音 17,000Hz  0dB録音 12,500Hz

までとなっていました。

 そしてSN比は,それぞれノイズリダクションオフで,CT-780と580がEIAJ55dB,第3次高調波歪率3%時が59dB以上となっていました。それらよりCT-480だと-1dB,CT-980/880だと+1dBになっていました(ドルビーを入れたときは,5kHz時にドルビーBで+10dB,ドルビーCで+20dB向上)。

 駆動系のことを書こうとしたらもういっぱいいっぱいになってしまったので,それは次回に。

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2014年2月 1日 (土)

パイオニアCT-780(1)・ボロさ加減を確かめたかった…。

 気がついたら久しくブログに何も書いていませんでした。
 「webページの更新を頑張ります」と言いながらそっちの方も手つかずです。
 しょうがないから,長らく温めていたねたをここで放出することにします。

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 はい,CT-970に続いて,わずか3000円で購入してしまった,パイオニアのカセットデッキ,CT-780です。
 CT-770を型遅れは了解済みで購入した32年と少し前,パイオニア・カセットデッキのモデルチェンジに気がつき,ドルビーCノイズリダクション搭載で少々落胆した,というのは以前に書きました。

 ところがこのパイオニア・ALL DAYS COMPOの第2世代カセットデッキシリーズは,最上級機のCT-980以外,情報がほとんどweb上にありません。以前にも書いたのですが次のようなラインナップでした。

・CT-980…リボンセンダスト3ヘッド搭載クォーツPLL・3DD再生リバース機
・CT-880…リボンセンダスト3ヘッド搭載・3DD再生リバース機
・CT-780…リボンセンダスト2ヘッド搭載・3DD録音・再生リバース機
・CT-580…リボンセンダスト2ヘッド搭載・3DD再生リバース機
・CT-480…パーマロイヘッド搭載・1モーターワンウェイ機
(CT-680という機種はなかった…)

 当時の価格は上から順に,109,800円,99,800円,74,800円,64,800円,54,800円でした。
 ALL DAYS COMPO第1世代カセットデッキと比較すると,リボンセンダスト3ヘッド搭載クォーツPLL・DDワンウェイ機のCT-970の後継がCT-980で,オートリバース搭載ながら価格は値下げとなっていました。
 (リボンではない)センダスト2ヘッド搭載・2モーターワンウェイ機で3分割デザインではなかったCT-570の後継が,再生リバースを搭載したCT-580で,価格は1万円アップとなりました。
 パーマロイヘッド搭載・1モーターワンウェイ機であったCT-470の後継がCT-480だとすると価格は1万1千円のアップとなっていました。価格的にはCT-570とCT-480がまったく同じで,CT-480がドルビーC搭載だというのを除けばそうとうなグレードダウンになってしまっていました。

 そして,リボンセンダスト3ヘッド搭載・2モーターワンウェイ機のCT-770はというと,価格・型番の面と機能の面で後継機が2つに分かれてしまったなぁ,と当時も思いました。
 型番・価格の面から見た後継が今回登場のCT-780で,価格は5000円のダウン。シリーズ中唯一の録再オートリバース,ドルビーC搭載,上級機にひけをとらない各種のテーププレイ機能が加わったのですが,3ヘッドやデュアルキャプスタン(リバース用に2本キャプスタンは備わっているが),オートBLEの搭載が見送られ,筐体の高さの関係かレベルメーターのセグメント数も減り,機能的には見劣りがしたものでした。
 機能の面から見た後継がCT-880。こちらはCT-770同様リボンセンダスト3ヘッドにオートBLEが搭載され,デュアルキャプスタンではないもののワウ・フラッター値がCT-770と同じ0.035%で,しかも再生リバース,ドルビーC,各種テーププレイ機能もついたのですが,価格がCT-770の2万円増しと,大幅にアップしてしまったのでした。

 CT-770を購入してもらったばかりの私は当然,当時この第2世代機を購入することはなかったのですが,気になるモデルではありました。
 もちろんさまざまなテーププレイ機能に,ドルビーCノイズリダクション搭載というのが一番気になったのですが,実機を触ってみて,下級機から上級機に至るまで,イジェクトボタンがラジカセのような機械式で,CT-970やCT-770のようなモーター駆動のパワーイジェクトはおろか,当時一般的だったエアダンプも搭載されず,どうしてこのような露骨なコストダウンが図られてしまったのか,非常に興味があったのでした。

 パイオニアはこの世代のカセットデッキの後,一旦CT-970/770の路線に戻り,オーソドックスなデザインを与え高級かつ高性能なCT-A9をリリースし,今でも名機だと言われています。オートリバース機もモデルチェンジしたのですが主流にはせず,まさにCT-980~480の路線が否定された感じになってしまいました。

 そういう意味でも気になったモデル。CT-980や880よりも,CT-780,いや580でも480でもよい,とにかく1台所有してみて,そのボロさ加減を味わってみたい,というのがありました。
 ちょうどよいところにオークションでCT-780の出物があり,落札後,「正常に動作しないので入金を控えてほしい」と言われたものの,「ボロさ加減を確かめたい」気持ちが抑えきれず,「現状のまま送ってください」,と言ってしまったのでした…。(以下次回)

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2013年7月14日 (日)

パイオニアCT-970(1)・ついに買ってしまっただよ…。

 なんと6月2日以来の記事になってしまいました。前回,チューナーF-780の記事で次のような写真を載せ,

F780_1

「下に写っているものは何だ?」と気を持たせた終わり方にしてしまったのですが,「やっぱり懐かしくなってCT-770を入手した」のではなく…。

Ct970

実際にオークションで入手したのは,さらに上級機の「CT-970」の方でした(爆)。

 CT-970のスペックはCT-770の項であらかた説明していますのでもういいでしょう。私が若いときに使っていたのはあくまでもCT-770の方なのですが,こうしてCT-970を自宅に置いてみると,なんだか30数年にわたり使い続けてきたような感じになってしまいます。

 本機は比較的安い値段で落札できたのですが,すでにメンテナンスがなされていたのか全ての機能にほぼ問題がない完動状態でやってきました。若干気になるのが,パワーイジェクトでカセットドアが「バタン!」と威勢よく開く点です。下級機のCT-770では確かもう少々穏やかにカセットドアが開いていたはずで,おそらくカセットドアの開く速度を調節する部品が弱っているのでしょう。
 そのカセットドアですが,CT-770の項でも書いた通り,カセットホルダーとカセットドアの二重構造になっています。確かCT-770ではドアがプラスチック製だったように覚えているのですが,上級機CT-970ではなんとドアが金属製で重くなっているんですよねぇ。カセットホルダーを重くしてテープの安定走行に寄与しようとしているのかも知れないのですが,効果は定かではありません。

 自分が使っていたCT-770によく似ていて,CT-770を使った経験があればそれとほぼ同じ感覚でCT-970を使うことができるのですが,より進化している部分も多いです。まずはカウンターが4桁の電子式になっていること。ただこの時点ではリアルタイムカウンターの搭載には及んでいません。パイオニア機にリアルタイムカウンターが搭載されたのは次モデルのCT-980からです。その代わりCT-970にはテープ残量をおおまかに知らせる4灯LED式のインジケーターがついています。C-90とC-60兼用になっていて,それぞれのテープごとのおおまかな値を読み取る仕組みになっています。う~ん,カセットドアを開けて直接テープを見た方が早いかも。なおカウンターリセットボタンはカウンター近くではなく右側の操作パネルに移されています。カウンターメモリー機能もCT-770ではメモリーストップのみでしたが,CT-970ではメモリープレイ機能もついています。
 テープ走行のインジケーターも全LED式で,CT-770のそれのようなアナログ感覚はありません。レベルメーターもCT-770の12セグメントと違いピークホールド付き16セグメント表示と高級です。
 オートBLE機能ももちろん搭載されているのですが,CT-970ではバイアスが微調整できるボリュームが追加されています。まぁ,このデジタル時代に,しかもメタルテープはおろかハイポジションテープの新品すら購入できないようになり,もはやこのCT-970で録音をするようなことは考えにくいのですが…。

 肝心のCT-970の音質ですが,カタログ上ではCT-770よりほんの少し高域がチューンされているようになっているのですが,実際に聞いてみると,CT-770とそう傾向は変わりません。パイオニアのリボンセンダストヘッド搭載機は,実は意外と中・低音域がパワフルで,CT-770で録音したテープを改めて聞いてみると,まさに当時の記憶がよみがえったような,懐かしい音でした。(この項続く)

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